これからできる節税チェックポイント
税理士 西村 博史
ここに掲載した記事は、それぞれ掲載時点の情報です。税制の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。
【2018年10月】これからできる節税チェックポイント
年末を控え、決算対策のチェックが必要な時期になりました。あらためて、節税のポイントに漏れがないか確認してみましょう。
1 専従者給与
事業主が青色申告者であれば、青色事業専従者給与の届出書を提出した上で、実際に支給した給与が必要経費に算入されます。
親族であっても、非同居で別に生活しているような場合、一般の従業員給与となり、届出も不要です。
届け出た専従者給与の金額が労務の状態にそぐわない場合には、遅滞なく変更届出書を所轄税務署長あて提出し、増額(減額)することができます。
2 少額減価償却資産
青色申告の場合、1個1組の金額が税込30万円未満(税抜き経理の場合には税抜き金額)の減価償却資産は、年合計300万円以下を上限として必要経費に算入できます。ただし、年末までに実際に事業の用に使用しなければなりません。
確定申告書に、合計金額等を記載する必要があります。
青色申告者でない場合には、必要経費に算入できる金額は、10万円未満の減価償却資産に限られます。
3 短期前払費用
継続して役務の提供を受ける契約に基づいて支払われる家賃や地代などについては、月払が通常ですから毎月分が必要経費となります。
但し、支払った時から1年以内分の家賃等を前払した場合には、短期前払費用の特例により、その前払家賃全額が必要経費となります。最低2年以上は前払を継続することが重要です。
4 小規模企業共済
小規模企業共済制度は、事業主の退職金制度として現在は独立行政法人中小機構が運営している制度です。
掛金(月額最高7万円)は、全額所得控除の対象となります。65歳以上になった場合や廃業した場合に共済金受給が可能となりますが、共済金は、現行の税制上退職所得に該当し、有利な扱いとなっています。
11月20日までに納付月変更届を提出した場合、12月分から1年先払いが可能となり、先払いした掛金も全額所得控除の対象となります。なお専従者についてもこの制度を利用することが可能です。
5 社会保険料控除
国民健康保険料などの社会保険料については、親族の内誰か一人が、生計を一にする親族分をまとめて支払った場合には、親族分を含めて支払った人の所得控除の対象とすることが可能です。
所得の最も多い家族にまとめて申告することができれば節税効果が最も大きくなります。
6 医療費控除
同居家族や同居していなくても生活費を共通している親族の医療費は、まとめて一番所得の高い人から控除すると節税につながります。所得の高い人は税率も高いため、控除されたり還付される税金が多くなる仕組みです。
7 障害者控除
現在介護保険の対象となっている親族がいる場合、介護状態によっては税法上の障害者控除を受けることが出来る場合があります。年齢65歳以上で寝たきりと同等の状態である場合や認知症等の場合、市区町村窓口で障害者認定の手続きをします。自己又は親族が障害者に認定された場合1名につき27万円(特別障害者は40万円)の控除を受けることが可能です。
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