奈良県保険医協会

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理事長よりご挨拶

理事長  青山 哲也

奈良県保険医協会のホームページを訪問していただきありがとうございます。

 当協会は県下1080名余りの医師・歯科医師の会員を擁し、我が国の医療制度、社会保障制度を守るため、行政への働きかけや市民の皆様との連携に努めております。また我々医師自身の医療技術向上をめざし、各種勉強会・講習会も開催しております。同時に国民・県民の皆様の平和な生活、健康を守るという観点で反核平和運動・環境問題にも積極的に取り組んでいるところであります。

 政府の医療・福祉政策は医療や福祉の世界にも競争原理を持ち込むことで、医療制度や介護保険制度をますます脆弱なものに導いています。患者の窓口一部負担金増、連続した実質診療報酬マイナス改定のあおりで患者さんは医療機関にかかり辛くなり、医療機関も経営悪化の一途をたどっています。その結果必要な人材の確保も困難になり、医療体制の崩壊にもつながっています。国民が誰でも、いつでも、どこでも医療にかかることの出来るフリーアクセスという日本が世界に誇る制度がほころびはじめていると言えます。今般のコロナ禍のもと、医療崩壊という言葉が取りざたされてきました。日本の医療インフラがいかに脆弱なものであったかが改めて明らかになったと言えましょう。また介護保険制度においても公助から自助へ、という自公政権の考えのもと介護報酬の低減化、受給資格の制限等ますます使いづらい制度になってきています。

 我々奈良県保険医協会や全国組織である保団連は「待合室から日本の医療を守ろう」という運動を進めています。日本の国民皆保険制度・社会保障制度を守るためには、現状を知りそして改善するために一人一人が声を上げる事がなによりも大切だと考えています。会員の先生方には是非患者さん一人一人に声を掛けていただき、日本が世界に誇る国民皆保険制度が今どうなっているのか、それを守るためにどうすれば良いのか、を話し合っていただきたいと思います。待合室から医療保険制度を守るための世論を沸き上がらそうではないですか。

 同時に今政府は特定秘密保護法や集団的自衛権の行使容認など憲法9条が謳う戦後の平和主義を覆そうとしています。奈良県保険医協会はこれらの動きに対しても積極的に反対の声を上げ、平和な日本を守るための活動を継続していきたいと考えています。原発問題に関しても同様に、福島の原発事故を忘れたかのような原発再稼働の企てに対し反対の声を上げていきます。

 会員の先生方には協会活動への積極的な参加を是非お願いします。また市民の皆様方には連帯して共に運動を進めて行きたいと考えております。一層のご指導、ご鞭撻の程をお願いいたします。

(2021年7月)