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平成19年分決算の重要事項

経営に役立てる医院の会計と税務 税理士 西村 博史

 ここに掲載した記事は、それぞれ掲載時点の情報です。税制の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。

【2007年12月】平成19年分決算の重要事項

 今年も余すところ1カ月となり、年末を見据えて診療所の1年を締めくくる時期となりました。年末までの決算対策を中心として、特に本年において注意すべき事項を解説します。

定率減税の完全廃止

 平成19年分の所得税については、従来認められていた定率減税が全部廃止されます。昨年は、所得税の10%で12万5000円以内、住民税所得割税額の7.5%で2万円以内が控除されていましたが、これが完全に廃止となります。

 定率減税は、平成11年に法人税等の税率低減とともに「恒久」減税として実施されたものですが、法人税の減税はそのままで個人のみ廃止されるという不公正な改正が実施されるものです。

 これにより、本年度は所得税住民税合わせて最高年額14万5000円の増税となります。

消耗品等の必要経費算入

 青色申告者である診療所が取得する器具備品等で30万円(税込経理の場合には、消費税込の金額)未満のもの(以下少額資産)については、1年間に取得する上限金額が300万円以内まで必要経費となります。確定申告時にその明細書を確定申告書に添付することが条件とされています。

 どの少額資産を必要経費とするかは納税者の選択に任されていますので、当然ながら耐用年数の長い少額資産から選択すると良いでしょう。

前納国民年金等の取扱い

 国民健康保険、国民年金や国民年金基金、小規模企業共済等掛金の過年度払込分や1年分以内の前納金額についても、年内に支払った時点で19年分の所得控除として全額控除されます。加入を検討される場合には、できるだけ早めに市町村等の窓口に相談されることをお勧めします。

青色専従者給与の見直しと給与賞与の支給

 青色専従者給与の支給額の改定は「遅滞なく」することが必要です。業務の内容等に照らして不相当な場合など年内に増額が必要な場合には早急に届出を実施します。

 青色専従者給与制度は、原則として実際に支給しない場合には必要経費算入が認められません。年内に支給漏れがないよう留意するとともに、必要なら賞与の改定も検討すると良いでしょう。


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