税額控除を有利に利用する
税理士 西村 博史
ここに掲載した記事は、それぞれ掲載時点の情報です。税制の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。
【2009年8月】税額控除を有利に利用する
税額控除というと一般になじみが薄い制度ですが、居住用建物などを購入した場合の住宅取得特別控除にように購入した資産の一定額を税額から控除する制度です。今回は、診療所を中心として使える税額控除を解説します。
電子計算機などを購入した場合
以前パソコン減税という名称の制度があったことを記憶しておられるかもしれません。電子計算機(レセコン)やコピー機などについては、「中小企業投資促進税制」において税額控除制度が存続しています。この制度は、1年間(法人の場合は事業年度)に「電子計算機」又は「インターネットに接続されたデジタル複合機」(コピー)を年間合計で120万円以上購入した場合に、その取得価額の7%を控除するというものです。注意すべきは複数台の「電子計算機」だけで合計120万円購入することが条件であって、「電子計算機」と「デジタル複合機」の合計金額で判定するのではない点です。単純に考えるとこの制度を利用すれば7%引きで購入できるのと同じ効果となります。
ただし、この制度は青色申告者について確定申告書に一定の記載などを条件とします。
また控除額上限は、年間の税額の20%までで超過分があれば翌年に繰越して控除が可能です。この場合の年間税額とは、社会保険診療報酬などの源泉徴収税額を控除する前の税額を言いますから、源泉徴収税額が還付になる診療所についても問題なく適用されますので留意ください。
ソフトウエアなどを購入した場合
電子計算機と同様に、電子カルテなどのソフトウエアを1年間合計で70万円以上購入した場合にも7%の税額控除が認められます。
ただし、ソフトウエアと電子計算機を合計200万円で購入した場合にソフトウエア部分の金額が70万円以下となるときはソフトウエア部分について税額控除は認められません。あくまで電子計算機とソフトウエアは別の対象資産ですからそれぞれについて120万円、70万円の購入金額が必要です。調査時によく問題となりますので予め請求書などにそれぞれの金額を明記してもらうなどの注意が必要です。
リースの場合にも適用
先般リース会計が改定され、これに伴いいわゆる「リース税額控除」なる制度は廃止されました。
しかし、一定の所有権移転外リース(リース終了時などに事実上無償で購入できるものなどを除くいわゆる通常のリース契約を言います)の場合には、購入したものと同様に扱われ税額控除が適用されます。
なおこの税額控除を利用した場合には他の税額控除を重複して利用することはできませんので注意が必要です。
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