いますぐ実践!財産の棚卸し①
税理士 三瀬 義男
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【2015年4月】いますぐ実践! 財産の棚卸し①
医業に関して、設備投資をした場合、投資金額に応じて一定の税額控除又は特別償却がある制度が設けられています。今回は、投資促進税制について解説します。
相続税の基本と相続税対策とは
今回より3回にわたり、開業医だけに的を絞り、医業の相続問題と解決策を簡潔にお話します。開業医の相続は、多額のキャッシュにかかる相続税対策と、医療(法人)の承継問題に関わる相続対策の両面からのアプローチが求められます。
相続税改正により負担増に
第1回目のテーマは相続税の基本と相続税対策の考え方についてお話します。まず、平成27年1月1日より相続税の基礎控除額(総財産から控除する金額)が減額されました。基礎控除額は前年まで「5000万円+1000万円×法定相続人の数」から平成27年より「3000万円+600万円×法定相続人の数」に改正されます。国税庁の統計によると、現状の相続税の納税負担者は4%(全国平均)ですが、改正後は6%(全国平均)程度になると想定されています。なんと!1.5倍増。さらに、東京圏内であれば平均25%、関西圏内では15%と急激に相続税負担者が増加します。
同時に相続税の税率が改正されます。相続税は累進税率であるため、相続した財産が多ければ高い税率が課税されます。平成27年より最高税率が50%から55%に引上げられます。これにより、6億円超の財産を相続した方は相続した財産の内、半分以上の税負担を強いられます。
従来からの富裕層に最も影響
この改正によって最も大きく影響を受けるのは、新たに相続税を負担する人ではなく、むしろ、従来からの富裕層の方です。例えば、相続財産2億円で配偶者と子供2人のケースの場合、改正前は1900万円(配偶者軽減前)であったが、改正後は2700万円(配偶者軽減前)となり、増差は800万円に跳ね上がります。10万単位の増税ではなく、数百万、1000万単位の増税が予想されます。
必要なのは“財産の棚卸し”
ぜひとも、この改正による影響度を知って頂きたい。開業医の相続にとって大事なのは、「相続税対策」と「事業承継」です。そのためにも、まず検討すべきことは“財産の棚卸し”又は“見直し”です。財産の棚卸しは「自分(もしくは医療法人)がどんな財産をどれだけもっているのか」を把握することです。多くの方は対策案ばかり目を向けてしまいがちですが、本当に重要なのは“財産の棚卸し”と定期的な“見直し”です。まずは、財産の棚卸しにより、ご自身の取るべき方針と課題を整理し、具体的な対策を検討していきましょう!
次回は開業医に対する相続税対策を個人編と法人編に分けて、節税に関するアイデアやヒントをお伝えします。
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