奈良県保険医協会

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注意したい決算事項

経営に役立てる医院の会計と税務 税理士 西村 博史

 ここに掲載した記事は、それぞれ掲載時点の情報です。税制の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。

【2011年10月】注意したい決算事項

 年末まであと三月を切り、本年の決算準備を行う時期が近づきました。今回は、是非とも検討したい決算注意事項を取り上げます。

期末在庫の適正計上

 期末に所有する在庫は、所轄税務署に特定の届出をしていない限り、最終仕入原価法で計算します。具体的には、仕入を行った医薬材料費の年内最後の仕入単価に年末数量を乗じて在庫金額を計算します。変動の著しい歯科の金属なども年末の単価で評価することになります。
  尚、消耗品などで日常的に使用する範囲の量のものについては在庫計上を省略する事が可能です。
  消費税の課税業者でない場合には、消費税を含む税込金額で評価します。
  また、外注先などへの預け在庫は加算する事を忘れがちですから注意が必要です。

帳端売上と仕入の計上

 個人の決算は12月31日が締め切りです。診療報酬を年内最後の診療日まで計上するとともに、医薬材料費などの仕入、検査費や歯科の技工費など外注費についても、翌年1月分の請求書に含まれることとなった12月納品分も忘れず計上します。
  尚、給与の締め切りが月末でない場合には、締め切り後年内最後の診療日までの給与計算をして未払給与として計上します。

領収書などの書類保存

 領収書や請求書などの原始資料は、7年間保存する義務があります。また、カードなどで決済した支出についても、領収書が必要となります。毎月会社から送付される月額利用明細やカード利用明細などは領収書とはなりません。
  領収書が存在しない支出は、所得税計算上否認され、消費税の控除を否認される可能性がありますので注意が必要です。

30万未満の器具備品等

 青色申告の届出をしている場合には、1個1組消費税込(税抜経理の場合には税抜)30万円未満の減価償却資産を購入した場合には、年間累計300万までは、確定申告書に一定の記載をすることを条件に必要経費とすることができます。但し白色申告の場合には1個1組消費税込(税抜経理の場合には税抜)10万円未満となります。医療用機器や一般の備品等減価償却資産であれば全てが対象となります。但し、リース資産については支払総額で判定します。年末までに、実際に購入して事業の用に供する事が必要です。

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