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お役立ち確定申告情報

経営に役立てる医院の会計と税務 税理士 西村 博史

 ここに掲載した記事は、それぞれ掲載時点の情報です。税制の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。

【2009年12月】お役立ち確定申告情報

 民主党の税制改正が話題となっている昨今ですが、意外に足元のこまめな節税は忘れがちになっているものです。今回は、確定申告でチェックしたい身近な節税ポイントを解説します。

青色申告65万控除

  青色申告の申請をしている場合、原則として複式簿記の方法により作成した貸借対照表を決算書に記載すれば、最高65万円の特別控除を受けることができます。筆者が受けた税務相談では、意外にも通常の10万円控除だけで申告するケースが多いようです。65万円控除を受けると節税額は、最低でも約10万円、1800万超の所得の場合には32万円余になります。貸借対照表の作成は難しいものではないので是非挑戦されると良いでしょう。

医療費控除で節税

  医療費控除は10万円を超えないと使えないと勘違いしている場合が多いようです。正確には、所得の5%か10万円のいずれか低い方が足切り額。100万円の所得の場合には5万円を超える医療費が還付対象となります。
  また生計を一にする家族などの医療費は各人別々に申告するとそれぞれに足切り計算されます。これを支払った1人にまとめて申告することにより足切り額が1人分となり節税となります。また医療費控除は最も所得が高く税率が高い人に取りまとめるのが一番有利となります。

給与所得が有利な産業医の報酬

  診療所以外の場所に出向いて診療する産業医や学校医の報酬は税法上給与所得としての扱いを認められています。給与所得となると自動的に給与所得控除を差引く事ができて有利である上、1年間の給与の総合計額が年間65万円以下であれば事実上無税となります。もし毎年1月頃に郵送される源泉徴収票の記載が給与でなく報酬となっていたら、是非給与として再発行を依頼することをお勧めします。

社会保険料等の前納

  国民健康保険や国民年金、小規模企業共済には前納という先払い制度があります。これらの制度を利用して、1年分以内の短期前払いをした保険料は、その支払った年で控除を受けることができます。国民年金や小規模企業共済には前納割引制度も設けられているため更に有利となっています。経費の先取りの効果は意外に大きいものです。

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