平成18年分決算の重要事項
税理士 西村 博史
ここに掲載した記事は、それぞれ掲載時点の情報です。税制の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。
【2006年11月】平成18年分決算の重要事項
今年も余すところ2ヵ月となり、年末を見据えて診療所の1年を締めくくる時期となりました。年末までの決算対策を中心として、特に本年において注意すべき事項を解説します。
定率減税の一部廃止
平成18年分の所得税については、従来認められていた定率減税が一部廃止されます。これにより、所得税から控除される金額は、所得税の10%で12万5千円以内(従来は、所得税の20%で25万円以内)となります。同様に、住民税についても、住民税所得割税額の7.5%で2万円以内(従来は、15%で4万円以内)に引き下げられます。
尚、この定率減税については、平成19年度には完全廃止となります。定率減税は、平成11年に法人税等の税率低減とともに「恒久」減税として実施されたものですが、法人税の減税はそのままで個人のみ廃止されるという不公正な改正が実施されるものです。
これにより、本年度は所得税住民税合わせて最高年額14万5千円の増税となります。
消耗品等の必要経費算入
青色申告者である診療所については、器具備品等で30万円(税込経理の場合には、消費税込の金額)未満のもの(以下少額資産)については、年間の上限が無くその全額が必要経費とされていました。
平成18年4月1日以降に取得する少額資産については、必要経費となる金額について、1年間に取得する上限金額が300万以内までとされました。また、平成18年4月1日以降取得の少額資産については、確定申告時にその明細書を確定申告書に添付する事が条件とされています。
どの少額資産を必要経費とするかは納税者の選択に任されていますので、当然ながら耐用年数の長い少額資産から選択すると良いでしょう。
但し、平成18年3月までに取得した少額資産については、従来通り上限なく必要経費となるので注意が必要です。
前納国民年金等の取扱い
国民健康保険、国民年金や国民年金基金、小規模企業共済等掛金の過年度払込分や1年分以内の前納金額についても、年内に支払った時点で18年分の所得控除として全額控除されます。加入を検討される場合には、できるだけ早めに市町村等の窓口に相談されることをお勧めします。
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