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本年確定申告の注意点

経営に役立てる医院の会計と税務 税理士 西村 博史

 ここに掲載した記事は、それぞれ掲載時点の情報です。税制の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。

【2006年2月】本年確定申告の注意点

 本年もまた確定申告時期が到来しました。特に本年の申告に際しては次の点に注意します。

老年者控除は廃止

 平成17年分所得から、年齢65歳以上で合計所得金額が1000万円以下の老年者について認められていた老年者控除(所得税50万円、住民税48万円)が廃止されました。この廃止により最低でも所得税住民税合計で7万4,000円の増税となります。

 尚、申告者に年齢70歳以上の老人扶養親族や老人控除対象配偶者がある場合に認められている扶養控除や配偶者控除の上乗せ加算は、廃止されていませんので留意が必要です。

老年者年金控除が減額されます

 年齢65歳以上の老年者が受け取る公的年金等(国民年金や厚生年金等)について認められていた年金控除の上乗せ(70万円を上乗せし合計140万円を最低でも控除)が廃止されます。この結果、年金控除額は年齢に関係なく同様の計算となります。但し、上記で廃止された老年者控除分50万円が加算されますので、65才以上の最低控除額は120万円となります。この改正により基礎控除を加算した老齢年金者の課税最低限は年額228万円から一挙に158万円に減額される事になります。

定率減税の廃止は次年度から

 法人税の税率低減と共に恒久減税として制定されたはずの定率減税が平成18年分より半減されます。但し、平成17年分は現行のまま20%(最高25万円)の減税が行われますので留意が必要です。

 尚、住民税の定率減税も同様に現行通り7.5%(最高2万円)の減税が行われます。

青色申告特別控除の増額

 青色申告をする事業所得者等に認められている青色申告特別控除の制度が改正されます。

 従来は帳簿の記帳状況に応じて55万円か10万円のいずれかとされていました。平成17年分よりは55万円控除が65万円に増額されています。尚10万円控除は従来通りで改正はありません。

国民年金控除の改正

 支払った国民年金がある場合には、社会保険料控除として全額が課税所得から控除されます。従来は、その金額を確定申告書に記載するのみで控除が可能でしたが、平成17年分からは証明書を確定申告書に添付等する場合のみ控除が可能となりました。

 尚、同居等する親族分の社会保険料等を申告者が支払った場合には、その親族分の社会保険料も申告者の所得から控除が可能ですので留意します。

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