パートは期間が来れば雇用関係を終了してもいいか
雇用問題Q&A 社会保険労務士 曽我 浩
「月刊保団連」の好評連載記事から、著者および発行元の許可を得て転載して紹介します。
なお、ここに掲載した記事は、それぞれ掲載時点の情報です。関係法令の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。
パートは期間が来れば雇用関係を終了してもいいか
【2012年6月】
Q
パート事務職員を募集し、1人採用したのですが、心配なのでとりあえず6カ月契約にしました。この場合、私のところに合わなかったら辞めてもらっても問題はないでしょうか。
A
労働契約によります。労働契約が真実6カ月契約であれば問題ないと思います。しかし、試用期間的な意味で6カ月となると、トラブルが起きる可能性が大きくなります。
Q
トラブルを防ぐにはどうすればいいのでしょうか。
A
少なくとも労働契約を書面で示さなければなりません。
Q
ロ頭ではだめなのですか。
A
はい。労働基準法等で労働契約の締結に際し労働時間、賃金などについて書面を交付することになっています。
Q
どのような書類ですか。
A
必要事項が記載されていればどんな書式でもいいのですが、モデル労働契約書を各都道府県の労働局のホームページでダウンロードできます。
Q
その労働契約書に期間を書いておけばいいのですね。
A
そうです。期間の定めのある場合は更新の有無、更新するならどんな時に更新するのかを明記しておく必要があります。
Q
そうしておけばトラブルは起きませんか。
A
期間の定めのある雇用を「有期雇用」といいます。これをめぐっては有名な判例もありますが、現在もトラブルの絶えないところです。少なくとも更新しないのであれば更新を期待させるような言動は避けるべきです。労働基準監督官の調査の時この点をよくチェックしていました。
Q
給料は最初は求人票より低くなりますが問題ありませんか。
A
これもよくトラブルになります。あまりにも違うのは問題ですが最終的には求人票ではなく労働契約に示した額になります。
Q
パートですから賞与は支給しないつもりですが問題ありませんか。
A
最近労働局の雇用機会均等室の調査に立ち会いましたが①昇給の有無②退職手当の有無③賞与の有無を明示した文書を交付しているかどうかかなりチェックしていました。ところで先生のところはパート就業規則はありますか。
Q
そのようなものは無いです。
A
トラブルを防ぐためにもまたパートの方が希望を持って働けるようにするためにもパート就業規則は作成した方がいいです。
Q
希望をもってとはどういうことですか。
A
たとえばパートの方でも職務能力が上がれば正社員に転換するなどの制度です。厚生労働省もパートの処遇改善に努めていて、処遇改善した企業に対しては助成金制度もあります。パート就業規則の見本に関しては各労働局のホームページでもダウンロードできます。
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- 2013年2月1日契約更新を繰り返してきたパートも5/を超えると無期契約になる
- 2013年1月1日65歳までの希望者全員雇用の義務化
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- 2012年7月1日どうなるパートの厚生年金適用拡大
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- 休憩時間が長くて、その結果「拘束時間」が長くなってもいいのか
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- 2011年9月1日年金事務所の調査とは
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- 2011年2月1日少人数でも就業規則作成を! 表彰も大切
- 2011年1月1日医療法人の交通事故
- 2010年12月1日正社員として新卒者を雇用すると1OO万円の助成金
- 2010年11月1日従業員の交通事故への経営者の対応
- 2010年9月1日育児休業法改正の対応は
- 2010年8月1日パートも雇用保険・社会保険に加入させるのか
- 2010年7月1日求人誌と労働条件が違うとしてトラブルに
- 2010年6月1日知らないと損する年金
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- 2010年4月1日波長が合わない職員を解雇できるか
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- 2010年2月1日労働基準法の改正で医院経営にはどのような影響が
- 2010年1月1日60歳以上の雇用延長について
- 2009年12月1日突然有給を取る職員の皆勤手当は
- 2009年11月1日病気を理由に退職する職員の対応は
- 2009年10月1日厚生年金の加入と受給資格―国民年金、払っていないけど大丈夫?
- 2009年9月1日通勤災害と業務災害
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- 2009年7月1日労働契約は書面で―口頭約束はトラブルの元
- 2009年6月1日パートあるいは経営者の労災
- 2009年5月1日長期療養を要する職員への対応
- 2009年4月1日粗雑な評価は職員をダメにする―自信のないことは評価するな―
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- 2009年2月1日内定取り消しの経営者責任―内定は“婚約”ではなく“結婚”
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- 2008年12月1日“名ばかり管理職“について―残業問題は裁判にする前に解決を
- 2008年11月1日育児休業は与えなければならないか
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- 2008年3月1日パート労働法は今年の4月から施行
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- 2007年10月1日失業給付は退職理由によって条件が違う
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- 2006年11月1日採用のとき病歴について聞けるか
- 2006年10月1日労働基準法は守らなければならない法律になった
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- 2006年5月1日政府は国民年金未納保険医を「指定更新しない」といっている。今から保険料を支払っても間に合うか
- 2006年4月1日引き継ぎもしないで突然退職する職員への対処は
- 2006年3月1日1カ月単位の変形労働時間制
- 2006年2月1日労働基準監督署調査及び労働基準監督署の是正勧告への対応
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