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職場のいじめが相談のトップ。厚生労働省も対応を強化

雇用問題Q&A 社会保険労務士 曽我 浩

 「月刊保団連」の好評連載記事から、著者および発行元の許可を得て転載して紹介します。
 なお、ここに掲載した記事は、それぞれ掲載時点の情報です。関係法令の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。

職場のいじめが相談のトップ。厚生労働省も対応を強化
【2014年1月】


 県の労働局雇用均等室(以下、雇用均等室)から「調査に行きたい」という要請がありました。何のために来るのでしょうか。また調査には応じなければならないのでしょうか。

A
 最近は、医療機関など女性が多く働く職場へ都道府県の雇用均等室からの調査が増えています。パートの対応やセクハラ・パワハラの対応などを調査しています。


 なぜ私のところに来るのでしょうか。

A
 ある不動産会社に雇用均等室が来たことがありました。その時は女性のパート職員が「プレハブの仮事務所に男性職員と2人だけにさせられ、恐怖を覚えた」というものでしたが、あなたの医療機関の職員がセクハラ・パワハラで訴えたから来るというものではないと思います。たまたま偶然だと思います。


 プレハブの部屋に男女2人きりになったというだけで、訴えられることもあるのですか。

A
 過剰反応のようにも見えますが、実際には密室状態になるとトラブルが発生することがあります。特に日本ではパートの女性を1個の人格として見ないで、このくらいはいいだろうという男性がまだまだ残念ながらいるのも事実です。雇用均等室の担当者は密室になると人格が変わる男性社員がいると思っているようです。


 私のところは一切セクハラ・パワハラには関係ない職場だと思いますが、それでも調査に応じなければなりませんか。

A
 セクハラ・パワハラに関係ないと思っていらっしゃいますが、やはり対応は考えた方がいいと思います。雇用均等室は多くの事例を持っていますし、この道の専門家ですからセクハラ・パワハラ対策を考えるいいチャンスと思って調査に応じるべきだと思います。厚生労働省によると、労働局に寄せられた相談のうちパワハラ・イジメの件数が解雇退職をめぐるトラブルを抜いてトップになりました。どこの職場でもパワバラ・イジメ・セクハラは人ごとではありません。私から見ても立派な社長だと思っていた会社の若い女性社員が急に退職しました。退職事由は自己都合になりましたが、実際にはセクハラでした。その女性社員もこれまでお世話になったとして訴えてはいませんが優秀な社員であっただけに残念です。つまりどこでもセクハラ・パワハラは起こりうるということです。


 雇用均等室はどんなことを聞くのでしょうか。

A
 男女雇用機会均等法では、事業主に対し職場におけるセクハラ防止のための雇用管理上の配慮を義務付けています。女性社員の比率とかそのうち女性の幹部社員はいるのかとか、セクバラ・パワハラ対応などになります。パートがいれば就業規則、パートの労働条件通知書などについても確認していきます。


 今までパワハラ・セクハラ対応などについて考えたこともありませんでしたが、今後どのような対応が必要でしょうか。

A
 どんなに気持ちよく働ける職場だと思っていてもセクハラなどで崩れていくこともあります。それに優秀な職員が退職したり、やる気をなくすことは大きな損失です。各都道府県労働局には対応についての分かりやすいパンフレットもあります。例えば東京都では産業労働局雇用就業部労働環境課などではセミナーやビデオのレンタルパンフレットの配布を行っています。パンフレットなどを取り寄せて対応を検討してください。

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