奈良県保険医協会

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野田首相ら政府・与党関係者らへ「TPP交渉参加を決定しないよう求める要請書」を送付~奈良県保険医協会

 奈良県保険医協会は11月7日、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)問題をめぐる政府の動向をふまえ、政府・与党の関係者、地元国会議員へ、緊急にファクス要請をおこないました。
 要請した内容は下記の通りです。


2011年11月7日

内閣総理大臣 野田佳彦殿
経済産業大臣 枝野幸男殿
厚生労働大臣 小宮山洋子殿
民主党政調会長 前原誠司殿
民主党経済連携PT座長 鉢呂吉雄殿
民主党経済連携PT顧問 山田正彦殿
国会議員 各位
奈良県保険医協会
理事長 坪井裕志


TPP交渉参加を決定しないよう求める要請書


 貴職には、連日、国政の重責を担ってのご活躍に敬意を表します。
 当会は、おもに奈良県の開業医を中心とした保険医(医師・歯科医師)1000人あまりで構成し、国民医療の向上と保険医の生活と権利を守るために活動している団体です。

 さて、報道によれば、政府は11月上旬にもTPP交渉参加を決定しようとしています。しかし、10月17日に公表された政府資料では、「公的医療保険制度など国が実施する金融サービスの提供は、議論の対象となっていない模様」と、極めてあいまいな説明が行われている一方、「米豪・米韓FTAのように、医薬品分野に関する規定が置かれる可能性はある」ことを認めています。
 すでに交渉を終えた米韓のFTAでは、医薬品の独占的特許が認められ、相手国の医薬品政策に対する異議申し立ても可能となりました。また、米豪FTAでも、医薬品に関する附属書があり、新薬の薬価引き上げにつながる規定が盛り込まれました。
 医薬品がTPPの対象になるのであれば、国民皆保険制度を持つ日本でも、医薬品を含む公的医療保険制度が対象となることは明らかです。
 TPP交渉参加国の多くは民間医療保険と競合するような公的医療保険制度はありません。国民皆保険制度を持つ日本が交渉参加するならば、民間医療保険と競合するとの理由で、公的医療保険制度がTPP交渉の議論の対象となるのは必然です。

 特定地域を経済圏として囲い込み、非関税障壁を原則撤廃するTPPに、仮に日本が参加すれば、日米2カ国のGDPが参加国全体の90%を占め、事実上、日米間のFTAが結ばれることになります。
 わが国の社会・経済構造を激変させかねない問題であり、国民生活のあらゆる分野に影響が及びます。国民への十分な説明もないまま、TPP交渉への拙速な参加を決定しないよう、ご尽力いただきますよう要請します。
以上

 要請書の送付先は、上に記載した野田首相ら政府・与党の6氏のほか、地元の国会議員9氏(衆議院議員:馬淵澄夫・滝実・吉川政重・田野瀬良太郎・高市早苗・大西孝典各氏、参議院議員:前田武志・前川清成・中村哲治各氏)です。
 奈良県保険医協会は今年2月にもTPP問題で「参加に反対する」理事会見解を表明しています。

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