奈良県保険医協会

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経済的な理由での中断や治療内容の変更など~受診実態調査/奈良県保険医協会

 奈良県保険医協会が9月に実施した「受診実態調査」の結果を紹介します。経済的理由での治療中断または中止の事例について、回答者の35%が「あった」と答えるなど、経済的な負担が受診を妨げていることが強く示唆されています。同調査は開業医会員990人を対象に配布した調査票を9月はじめから14日までの期間に返送を求めて行い、71件(14日以降到着分含む)を回収しました(回収率7.1%)。
 調査の趣旨は、現在の経済状況が受診にも影響を及ぼすことが懸念されているもとで、「受診中断」などの実態は厚生労働省の調査などでほとんど把握されていないことから、現場からその実態を示すために取り組んだもので、保団連が呼びかけて各地で行われています。
 設問では、この半年間のことで、▽主に患者の経済的理由から治療を中断または中止した事例の有無▽あった場合、その患者さんの病名▽患者から医療費負担を理由に検査や治療、投薬を断られたことの有無▽あった場合その内容▽一部負担の未収金の有無▽その他気づいたこと――を問いました。

〈おもな設問と結果〉
 ※回収数71(病院3、医科診療所43、歯科診療所25)

1.この半年間に、主に患者の経済的理由から、治療を中断または中止する事例がありましたか。
 ▽あった………35.2%
 ▽なかった……33.8%
 ▽わからない…31.0%
 ▽無回答………なし

2.この半年間に、患者さんから、医療費負担を理由に検査や治療、投薬を断られたことがありますか。
 ▽あった………38.0%
 ▽なかった……49.3%
 ▽わからない…11.3%
 ▽無回答……… 1.4%

3.この半年間に、先生の医療施設では患者一部負担金の未収金がありますか。
 ▽あった………53.5%
 ▽なかった……45.1%
 ▽わからない… 1.4%
 ▽無回答………なし


「1月分の薬を1月半に延ばして服用」
「お金が払えないという歯痛の無保険患者に人道上応急処置」などの事例も…


 つづいて以下に記述回答の概要を紹介します。

〈中断・中止事例の病名〉
 医科=糖尿病、高血圧、高脂血症との回答が多く見られました。胃潰瘍、気管支喘息、骨折(痛みがなくなれば来院しない)、慢性肝炎なども。
 歯科=歯周病、歯牙欠損(補綴)、う蝕が多く見られました。歯髄炎、歯根膜炎なども。

〈検査や治療拒絶の例〉
 医科=画像、血液、内視鏡、エコーなどが散見されました。減薬・処方日数の減、精神療法・往診の拒絶や、無保険で投薬無し希望なども。
 歯科=画像・歯周検査、歯石除去、補綴、う蝕処置など。仮歯で中断、露髄していても抜髄拒絶で普処のみという事例も。

〈その他、気付いたこと〉
 保険証期限切れでのレセ返戻が増。慢性疾患で内服加療要するのに2~3月に一度しか受診できない患者が増。1月分の薬を1月半に延ばして服用。ジェネリック変更で何円安くなるというお知らせ持参の患者が増。生活保護の患者が増。社保から国保への変更。初診時に限定した一部の場所の治療のみ希望(歯科)、「お金が払えない。歯が痛くてしょうがない。なんとかしてほしい」との無保険・38歳女性に人道上応急処置をした。

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