奈良県保険医協会

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奈良県が子どもの医療費助成制度の対象年齢拡大を発表~2016年度予算案に盛り込む

 奈良県が2月23日に発表した2016年度予算案において、子育て対策の一環として、子どもの医療費助成の対象年齢を拡大する費用を盛り込みました。

 現在、【外来】(通院)医療費の助成は「就学前まで」ですが、これを「中学卒業まで」に拡大します。しかし、1医療機関につき月1,000円までは自己負担とし、給付の方法も従来通りの償還払いのため窓口では一旦、医療保険の自己負担分は全額の支払いが必要で、後日に助成される部分が銀行口座へ振り込まれる形になります。
 現在、【入院】については中学卒業までを対象としており、今回の変更で【外来】(通院)分も対象年齢が同じになります。他方で、就学前の1医療機関1月ごとの負担は500円なので、今回の変更で新たに対象となる小学生から中学生までの自己負担部分はいわば2倍の設定となります。県では8月1日からの実施を見込んでいます。

 事業の実施主体は県下の各市町村であるため、助成する費用は県と市町村の折半です。各自治体での予算確保と新制度実施のための手続き(条例改正等)が各自治体でおこなわれる必要があります。
 子どもの医療費助成は県の制度どおりに実施している自治体もありますが、少なくない自治体が独自に対象年齢を拡大したり、自己負担部分をなくすなどの上乗せの給付をしているため、今回の県の制度拡大によって、各自治体の対応が注目されます。

 奈良県保険医協会では、「奈良県福祉医療制度改善を求める会」として、子どもの医療費助成の対象拡大と、福祉医療すべてで現物給付化(窓口での立て替え払い無し)にすることなどを求めています。
 昨年4月の知事選挙と県議会選挙の前にも、これらの要望を署名とともに奈良県へ届けるなど、繰り返し改善を要望してきました。要望署名はそれ以後に寄せられたものも含めて3万筆近くに及びます。
 要請に対して県の担当者は改善の約束はしませんでしたが、子育て世代の県民、母親らの切実な声には、要請のたびに耳を傾けてきました。
 知事をはじめ県当局が対象年齢の拡大を決めた背景には、強い県民の声がその背中を押しつづけてきた力がありました。それゆえの前進と言えるでしょう。

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