【第80回】均等均衡待遇の法改正~どんな働き方でも納得できる待遇のルール〈後編〉(2021年7月)
ここに掲載した記事は、掲載時点の情報です。関係法令の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。
【第80回】均等均衡待遇の法改正~どんな働き方でも納得できる待遇のルール〈後編〉(2021年7月)
賞与
会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給する場合
通常の労働者と同じ →通常の労働者と同一の賞与を支給しなければならない。
通常の労働者と一定の相違あり →貢献の相違に応じた賞与を支給しなければならない。
* 通常の労働者とパート職員等との間で、業務上の目標値の達成・不達成に係る待遇上の不利益の有無に応じて、賞与支給に相違を設けることは許されるとしています。
一般的な形態の賞与の場合、純粋な業績連動型は少なく、多くは支給対象期間の勤務を対象とする賃金の後払的性格を含んでいます。よって、パート職員等にその後払的性格部分すら支給しないことは不合理な待遇の相違と判断されます。
福利厚生
福利厚生施設の利用機会の付与義務
通常の労働者と同一の事業所で働くパート職員等に対しても、通常の労働者と同一の福利厚生施設(給食施設、休憩室及び更衣室)の利用の機会を与えなければなりません。通常の労働者と「職務の内容」や「職務の内容や配置の変更の範囲」などが異なっても、福利厚生施設の利用を拒むことは許されません。
施設利用に定員の制約がある場合、増築等により結果として労働者全員が利用できるようにすることまでを求めるものではありませんが、通常の労働者と同様に利用する権利が確保される措置が求められます。
@待遇差が不合理か否かについては、最終的には、裁判所での司法判断に委ねることになります。
■院長として
(1)説明義務の対応の重要性
非正規雇用労働者からの求めがあった場合、事業主は、通常の労働者との間の待遇の相違や・理由を説明しなければなりません。事業主による説明内容が、法8条の「不合理」の評価に影響する可能性があります。
(2)差別的取扱いの禁止
法9条は適用要件を満たす場合は、一切の待遇差が許されなくなるという厳しい規制が課せられています。正職員との間で、職務の内容や変更の範囲を区別することが考えられます。
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