【第79回】均等均衡待遇の法改正~どんな働き方でも納得できる待遇のルール〈中編〉(2021年6月)
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【第79回】均等均衡待遇の法改正~どんな働き方でも納得できる待遇のルール〈中編〉(2021年6月)
基本給
基本給は様々な形態がみられます。
定額給={年齢給・勤続給、職能給、職務給、役割給}
年齢給・勤続給=年齢や勤続年数を基準にして定められる
職能給=職能資格(職務遂行能力を基準とする資格)等によって定められる
職務給=担当する職務(仕事)によって定められる
役割給=職員の担う職務に対する期待役割を基準にして定められる
出来高給=業績や成果(契約件数等に応じた歩合給など)を基準にして定められる
@定額給、出来高給が併用されることもあります。
@パート職員等に比較的多く用いられているのは、時間あたりを基準に定める「時間給」(これも一つの職務給である場合が多い)ですが、パート職員等における基本給と位置付けられます。
月給制と時給制の違いについての裁判例
賃金(基本給)について~月給制と時給制の違い
「アルバイト職員は時給制、正職員は月給制という労働条件の相違についてみると、どちらも賃金の定め方として一般に受け入れられているものである。アルバイト職員は短時間勤務者が約6割を占めていることが認められる。そのことを踏まえると、アルバイト職員に、短時間勤務者に適した時給制を採用していることは不合理とはいえない。」
と判断したものがあります。
通常の労働者とパート職員等とで、基本給(能力、経験、業績、成果、勤続年数等)について照らし合わせ、その決定要素において同じ場合には同一の基本給を支給しなければならず、一定の違いがある場合にはその違いに応じた基本給を支給しなければならない旨が定められています。
基本給について職務の内容等が問題になる場合は、職務内容が同一かは、「業務の内容」が「実質的に同一」であるかを判断し、次いで「責任の程度」が「著しく異なって」いないかを判断することになります。
まず、第一に、業務の内容が「実質的に同一」であることの判断に先立って、「業務の種類」が同一であるかどうかをチェックします。次に、比較対象となる通常の労働者及びパート職員等の職務を業務分担表、職務記述書等により個々の業務に分割し、その中から「中核的業務」と言えるものをそれぞれ抽出します。抽出した「中核的業務を比較し、同じであれば、業務の内容は「実質的に同一」と判断することになります。
「中核的業務」とは、ある労働者に与えられた職務に伴う個々の業務のうち、当該職務を代表する中核的なものを指し、以下の基準に従って総合的に判断すること。
①与えられた職務に本質的又は不可欠な要素である業務
②その成果が事業に対して大きな影響を与える業務
③労働者本人の職務全体に占める時間的割合・頻度が大きい業務
最後に、両者の職務に伴う責任の程度が「著しく異なっていないかどうかをチェックします。
「責任の程度」の内容に当たる以下のような事項について比較を行うこと。
①授権されている権限の範囲(単独で契約締結可能な金額の範囲、管理する部下の数、決裁権限の範囲等)
②業務の成果について求められる役割
③トラブル発生時や臨時・緊急時に求められる対応の程度
④ノルマ等の成果への期待の程度
⑤上記の事項の補助的指標として所定外労働の有無および頻度
この比較においては、例えば管理する部下の数が一人でも違えば、責任の程度が異なる、といった判断をするのではなく、責任の程度の差異が「著しい」といえるものであるかどうかを見るものであること。
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