【第13回】年次有給休暇を半日単位で与えられるか
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【第13回】年次有給休暇を半日単位で与えられるか
与える義務はない
労基法は、「6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の年次有給休暇を与えなければならない」と規定しています。
心身の疲労回復、労働力の維持培養を図ることがこの規定の趣旨ですから、ここで「継続し、又分割した」というのは、有給休暇を連続して与えるか、あるいは1日や2日などに分割して与える、という意味であって、1時間や半日などにまで分割して与えることではありません。
したがって、職員が半日単位で年次有給休暇の付与を請求しても使用者はこれに応じる義務はありません。
子育て中の職員からの希望もあり、その方が取得促進になるのだが
「子供が病気したので」「参観日があるので」など小さな子供を持つ職員から半日単位の年次有給休暇を請求されることがあります。
このような状況がみられることを踏まえ、「連続休暇取得及び1日単位の取得の阻害にならない範囲内で、半日単位での年次有給休暇取得について導入を検討する。」ことが休暇取得の促進策の一つとしてあげられるようになっています。
本来の取得方法による年次有給休暇取得の阻害とならない範囲内で運用することが前提ですが、半日単位付与に応じることが職員のやる気を引き出し、業務の正常な運営に支障をきたさないなら検討に値するのではないでしょうか。
なお、職員が1日単位で時季を指定しているにもかかわらず、午前中は比較的患者さんが少ないからそのときに請求することなどとする、すなわち使用者側から半日単位で付与することはできませんので注意してください。
午前中のみ勤務の土曜日に与える年休を半日扱いにするのは違法か
午前中のみ勤務の土曜日に年次有給休暇を取得した場合、通常の日の労働時間数の半分であってもその日に労働させなかったことに変わりはありませんから1日の有給休暇を与えたことになります。
ただし、1日として差し支えないものを、0.5の有給休暇として処理することによって、もう一回、別の土曜日に有給休暇をとることができ、職員にとっては有利になりますので一向に差し支えありませんし、むしろ労基法を上回る労働条件を定めることは法の望むところです。
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