【第06回】「頑張ってよかった」と思える賞与支給を
ここに掲載した記事は、それぞれ掲載時点の情報です。税制の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。
【第6回】「頑張ってよかった」と思える賞与支給を
◇賞与は支給しなければならないか
賞与制度を設けることは、労働基準法(以下「労基法」という)その他の法律によって義務づけられているものではありません。しかし就業規則や労働条件通知書等で支給を約束したのであれば、経営が苦しいからといって、支給しないことは許されません。
◇使用者の腕の見せどころ賞与の特徴を生かして
職員の毎月の生活を支え、基本的な賃金となる月例給与は、医院の業績の動向、職員の勤務成績、評価を強く反映させることが難しいといえます。
それに比べ、賞与はある程度それを反映させることが可能であり、弾力的に支給することで、経営状況にともなう人件費負担を調整する役割を果たす面があります。月単位で評価しにくい面などもおさえ、職員のやる気を引き出す絶好の機会として大いに工夫してみてください。
◇経営を反映した支給額にしたいが
現状では、昇給額の幅(場合によって現状維持)や賞与支給は、職員の勤務成績や医院での役割を反映させるとともに弾力的に運用することによって、経営状況にともなう人件費負担を調整できるようにしておきたいものです。そのためには、労働条件通知書等で、以下のように定めておく事が前提になります。
時期 毎年7月と12月
対象 その月の初日に在籍している職員を対象に、ただし採用6ヵ月未満の職員は除く
金額 医院の業績及び職員の勤務成績などを勘案して個別に定める。ただし、医院の業績の著しい低下、その他やむを得ない事由があるときは、支給時期を延期し、または支給しないことがある。
場合によっては、経営状況が苦しくても、期待を込めた金額を支給することもあります。現状とともに将来を考慮して金額を決めることも大切なことです。
◇やる気を引き出すポイントは
◎この時こそ未来を語る
経営環境が悪くなっている状況で、抽象的な「厳しさ」でなく、そのことをわかりやすく伝えることは大切です。厳しさのみでは悲観的になるだけです。賞与を支給するときには、仕事の楽しさ、生きがいを大いに語ることが必要だと思います。
◎いいことは、早く伝える
ほとんどの医院は、この時期に支給額を決めることは可能だと思います。支給時期と支給額を早く伝えてください。その後の仕事に反映します。
◎面談で評価、ねぎらい、期待を伝える
職員は、院長がどのように自分の仕事を評価しているのか、絶えず気にしています。
◇パート職員はどうするか
仕事の内容にふさわしい処遇を図り、日頃の仕事を正当に評価することです。やる気が違ってきます。
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