【第81回】短時間職員から厚生年金保険・健康保険に加入したいとの要望:優秀な看護師の定着・確保のために―労使の合意があれば加入可能(2022年4月)
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【第81回】短時間職員から厚生年金保険・健康保険に加入したいとの要望:優秀な看護師の定着・確保のために―労使の合意があれば加入可能(2022年4月)
短時間職員から厚生年金保険・健康保険に加入したいとの要望
週所定労働時間が20時間の看護師から、「家庭の事情で、正職員と同じような労働時間は無理(子供が小さいので)、ただ収入がもっと必要なので、週24時間~28時間程度働きたい、そして厚生年金保険・健康保険にも加入したい」との要望がだされました。
可能なことは協力する方向で早急に話合うつもりです(時間給のアップ、シフト表の基本形、今後の見通しなど)。
短時間職員の厚生年金保険・健康保険へのアドバイスをお願いします。
職員は12人で社会保険の加入者は8人、あと3人は雇用保険の未加入者です。正職員の週所定労働時間は40時間です。
500人以下の企業でも、労使の合意により、一定の要件を満たす短時間職員の方も、社会保険(厚生年金保険・健康保険)に加入できるようになりました。(平成29年4月から)
◇対象となる方(短時間職員)
勤務時間・勤務日数が通常の職員の4分の3未満(※1)で、以下の4要件を全て満たす方が、対象となる「短時間職員」です。
(1) 週の所定労働時間が20時間以上(※2)
(2) 月額賃金8万8千円以上(※2)
(3) 雇用期間が1年以上見込まれること
(4) 学生でないこと
※1 勤務時間・勤務日数が通常の4分の3以上の方は、通常の職員と同様に社会保険の加入者となります。
※2 就業規則・雇用契約等で定められた労働時間およびそれに基づいて算出された賃金を指します。
◇労使合意が必要です
同意対象者(※3)の2分の1以上と、事業主との間で、「短時間職員」が社会保険に加入することについての合意が必要です。
加入の手続きにあたっては、(1)~(3)のいずれか(※4)を添付のうえ、「任意特定適用事業所申出書」を、年金事務所へ提出してください。
(1) 同意対象者の過半数で組織する労働組合の同意書
(2) 同意対象者の過半数を代表する者の同意書
(3) 同意対象者の2分の1以上の同意書
※3 「同意対象者」とは、厚生年金保険の被保険者、70歳以上被用者および「短時間職員」を指します。
※4 同意対象者の過半数で組織する労働組合がある場合には(1)を、ない場合には(2)または(3)を提出してください。
不明点は、管轄の年金事務所へお問い合わせください。
◇人材確保、定着のために
収入が130万円を超えているために被扶養者になれず(特に看護師は給料が高いので)、国民年金及び国民健康保険に加入中であり、子供が小さいためにパートタイムでしか働けない職員がいる医院では、該当者から聞き取りをし、検討してみてください。
月額賃金 | 健康保険(40歳未満) | 厚生年金保険 | 自己負担額(合計) |
15万円 | 7,470円 | 13,725円 | 21,195円 |
18万円 | 8,964円 | 16,470円 | 25,434円 |
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