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【第75回】時間単位年休は、義務付けられている年5日の年休取得の対象とならない

開業医の雇用管理ワンポイント 社会保険労務士 桂好志郎(桂労務社会保険総合事務所所長)

 ここに掲載した記事は、掲載時点の情報です。関係法令の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。

【第75回】時間単位年休は、義務付けられている年5日の年休取得の対象とならない

◆時間単位年休 労使協定の締結により年5日まで

 年次有給休暇は日単位で取得することが原則ですが、2008年の法改正により時間単位で取得できる年次有給休暇が認められ、事業所で労使協定を締結すれば、年に5日を限度として、時間単位で与えることができるようになりました。
 取得単位は整数の時間単位でなければならず、1.5時間単位のような1時間に満たない端数が生じた単位や分単位で与えることは認められません。

◆計画年休で時間単位付与はできません

 時間単位年休は、職員が時間単位で請求した場合に、与えることができるものですので、年休の計画的付与として、時間単位年休を与えることはできません。

◆半日単位の年休については取扱いに変更はありません

 職員が半日単位で取得を希望し時季を指定し、使用者が同意した場合であれば、1日単位取得の阻害とならない範囲で、半日単位で年休を与えることが可能とされています。労使協定の締結は必要ありません。

◆時間単位での年休取得分は「年5日」の算定には含まれない

 2019年4月から年5日の年休を職員に取得させることが使用者の義務となりました。対象者は、年休が10日以上付与される職員で、職員ごとに、年休を付与した日(基準日)から1年以内に5日について、取得させなければなりません。
 この年休時季指定義務に係る「年5日」の算定に際しては、職員が半日単位で年休を取得した日数分については、0.5日としてカウントすることができますが、職員が時間単位で取得した分については、「年5日」の算定には含まれないとされています。(平30・2・28 基発1228第15号)

◆Q&A 育児休業から復帰した職員は

Q 年5日の年次有給休暇を確実に取得させる必要があるのでしょうか。

A 年度の途中に育児休業から復帰した労働者等についても、年5日の年次有給休暇を確実に取得していただく必要があります。ただし、残りの期間における労働日が、使用者が時季指定すべき年次有給休暇の残日数より少なく、5日の年次有給休暇を取得させることが不可能な場合には、その限りではありません。(働き方改革 厚労省 Q&A)

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