【第55回】割増賃金の計算間違っていませんか
ここに掲載した記事は、それぞれ掲載時点の情報です。税制の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。
【第55回】割増賃金の計算間違っていませんか
法令厳守の労務管理を心がけている方のなかでもよくあるのが割増賃金の計算間違い。割増賃金の計算方法は法令により具体的に定められていますので間違いがないかチェックしてみてください。
◇1時間当たりの金額の計算方法は
時給800円と定めているが、別途皆勤手当として月額8,000円を支給している。時間外労働時間数が10時間
- 【よくある誤り】
- 時間給のみで
時給800円×10時間×1.25=10,000円 - 【正しくは】
- 時給800円+8,000円/160時間=850円
(*160時間=1ヵ月平均所定労働時間数)
850円×10時間×1.25=10,625円
CHECK
◇賃金を定める方式を複数採用している場合は、それぞれの方式ごとに計算したものを合算すること
月額22万円(基本給16万円、資格手当3万円、職務手当2万、通勤手当1万円)時間外労働時間数が10時間
- 【よくある誤り】
- 基本給のみで
16万円/160時間=1,000円
(*160時間=1ヵ月平均所定労働時間数)
1,000円×10時間×1.25=12,500円 - 【正しくは】
- 16万円+3万円+2万円/160時間=1312.5円
(*160時間=1ヵ月平均所定労働時間数)
1312.5円×10時間×1.25=16,406円
CHECK
◇法規により計算基礎から除外できるものは次の賃金に限られています。これら以外の賃金はすべて割増賃金の算定の基礎にしなければなりません
- 除外賃金にあたるもの
-
- 家族手当
- 通勤手当
- 別居手当
- 子女教育手当
- 住宅手当
- 臨時に支払われる賃金
- 1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
「住宅手当」の名称であっても、全員に一律に定額支給されるなど、住宅に要する費用に応じて算定されない賃金は除外賃金にあたりません。
月によって所定労働時間が異なるときは、1年間における1ヶ月平均所定労働時間数で割り計算した金額となりますので、事業場ごとで異なります。恣意的に180時間とかにできません。
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