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【第21回】割増賃金

開業医の雇用管理ワンポイント 社会保険労務士 桂好志郎(桂労務社会保険総合事務所所長)

 ここに掲載した記事は、それぞれ掲載時点の情報です。税制の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。

【第21回】割増賃金

なぜ割増賃金を

 割増賃金を支払うべきことを使用者に義務づけることによって、労基法が規定する法定労働時間制および週休制の原則の維持を図るとともに、過重な労働に対する労働者への補償を行おうとすることにあります。いわゆる時間外労働と休日労働に対する割増賃金は、法定労働時間制又は週休制の原則を確保するための一つの支柱と言えます。

割増賃金の支払いが必要な場合

 1日および週の労働時間数に関係なく、月の総労働時間を任意で決めてそれを超過したときにはじめて割増賃金を支給している医院がありますが、間違いですので改善してください。原則は、次の図の通りです。

割増賃金の基礎となる賃金

 基本給のみに限定すると賃金総額のなかに占める基本給の割合が各事業場によって異なるので、結局、家族手当、通勤手当等労働とは直接関係のない個人的事情に基づいて支払われる賃金を除いた通常の賃金を基礎とすることになっています。

◇よく間違いのあるケース

①2つ以上の賃金から構成されている場合にはそれぞれごとにわけて計算されます。パート職員で時給800円プラス皆勤手当が月額8000円支給される場合は、一時間あたりの金額は、下図。

  時給800円のみで計算されるケースがありますが間違いです。

②通勤手当、家族手当については、それぞれ扶養家族数や通勤に要する費用、通勤距離に応じて支給される手当のみが除外されます。通勤手当でも一律に一定額が支給される手当は割増賃金の基礎から除外される手当にはあてはまりませんので注意してください。

割増賃金が恒常的に発生しないように

 医院の給与台帳を見ると割増賃金の総額だけで、もう1人雇用できるような医院がありますが、超過勤務は恒常的に発生させるものではありません。ぜひ所定労働時間等を見直ししてみて下さい。

開業医の雇用管理ワンポイント

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