奈良県保険医協会

メニュー

【第4回】週休2日で1日休日労働したときの割増賃金は

開業医の雇用管理ワンポイント 社会保険労務士 桂好志郎(桂労務社会保険総合事務所所長)

 ここに掲載した記事は、それぞれ掲載時点の情報です。税制の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。

【第4回】週休2日で1日休日労働したときの割増賃金は

◇休日とは

 「休日」というのは、労働契約において、労働義務のない日とされています。また労基法にいう休日は、原則として暦日、すなわち午前零時から午後12時までの24時間の休みをいいます。よって付与単位は1日でなければならず、1暦日を下回る分割付与は休日となりません。ただし、3交代制等の場合には、例外的に継続24時間でよいとされています。

◇週休制と休日の与え方

 「使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも一回の休日を与えなければならない」とされています。労基法で義務付けされているのは、1週間に1日の休日(法定休日)の確保です。例外として、4週間に4日以上の休日を与える変形週休制も認めています。この場合には、就業規則等で4週間の起算日を定めなければなりません。 

 この原則は、キリスト教国において、日曜日を安息日としていた習慣が基礎となって世界的に採用された制度ですが、わが国ではその与え方について規定はなく、1週間のうち何曜日を休日としてもよく、また週によって曜日が違うことも差し支えありません。 

◇週休2日制と休日労働

 木曜日と日曜日を休日と定めている職員が、木曜日に勤務しても、日曜日の休日を休ませていれば法定の要件は充足していることになるので、木曜日の勤務は、休日勤務に該当しても法律上の休日労働にはなりません。したがって、時間給1,000円で8時間労働したのなら8,000円の賃金支給は必要ですが、3割5分増の休日労働の法定割増賃金は必要ありません。 

 ただし、木曜日に労働したことで、1週間の法定労働時間を超えるときは、その超えた時間について時間外労働となり、2割5分増の割増賃金の支払が必要となりますので、注意してください。 

◇どの週も週休2日制にしたい場合の就業規則のポイント 

 第○○条(休日)
一 休日は、次のとおりとする。
 ①土曜日および日曜日
 ②国民の祝日(日曜日と重なったときは翌日)及び5月4日
 ③医院が指定する日(夏季休日、年末年始等)

 例のような定めをしている場合、患者様の要望や経営的理由で、国民の祝日がある週は、土曜日を出勤日とする場合は、必ず次のような文言を追加する必要があります。

 ただし、第2号の休日が含まれる週の土曜日は、出勤日とする。

開業医の雇用管理ワンポイント

さらに過去の記事を表示