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【第3回】使用者には、労働条件の明示義務がありますよ

開業医の雇用管理ワンポイント 社会保険労務士 桂好志郎(桂労務社会保険総合事務所所長)

 ここに掲載した記事は、それぞれ掲載時点の情報です。税制の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。

【第3回】使用者には、労働条件の明示義務がありますよ

クイズ 労働条件の明示とかけて 四階建てのビルと解く そのココロは………?(厚生労働省のチラシより 答えは最後にあります)

◇労基法制定以来の大改正の主要項目のひとつが、労働条件明示の強化

 労基法が昭和22年の施行以来、大幅な改正が2回ありましたが、1部の特例措置の対象事業を除き全面的に週40時間労働制が実施されたときと、平成10年の年次有給休暇の付与日数の増加などと合わせて改正された、労働条件明示の強化といえます。施行当時では想定することができなかった、雇用環境の大幅な変貌によるものです。 

 就業規則の作成及び届出の義務のない10人未満の事業場が多数を占める各医院において、とりわけ重要な意味を持つことになります。

◇トラブルの要因の多くは採用時の労働条件の明示義務違反、曖昧さにあり 

 書面により必ず明示しなければならない事項、定めをした場合に明示すれば足りる事項など、明示すべき労働条件の範囲が定められています。 

 労働条件をめぐっての種々のトラブルは、採用時にきちんと労働条件を伝えていない、あるいはお互いに確認しあっていないことによることがよくあります。  

◇労働条件を明示しようと思えば一所定労働時間等の見直しの機会にも 

 シフト表で労働時間を管理している医院では、今回採用した職員が、どの時間帯を希望しているのか、無理すれば勤務できる時間帯は、などを確認していくことになりますが、その過程で、そもそも今の所定労働時間の時間設定は適切なのか、割増賃金は月どれぐらい発生しているのか、最後の患者さんの受付業務が終了した時点で、職員の配置人数は適切か等々合理的で経済的な職員配置を再検討する機会にもなります。  

◇労使ともに安心できる職場にするために

 「書面での労働条件通知は初めて、すごく安心できます」との声、まだの医院もすぐに改善したいものです。 

 ただ、書面での通知ですから、当然義務を負うことになります。慎重に正確にすることが求められます。そのよい見本は月刊保団連「医院経営と雇用管理」2004年版にモデルがありますので、ぜひ参考にしてください。  

答え どちらもゴカイがないでしょう。

開業医の雇用管理ワンポイント

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