奈良県保険医協会

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新年ご挨拶

 あけましておめでとうございます。

 昨年は第二次トランプ米政権が誕生し、その傍若無人な関税政策に世界中が振り回されました。想像以上のトランプ大統領の立ち居振る舞いに世界中が振り回され、ロシアやイスラエルの蛮行も相まって、戦後かろうじて保たれてきた世界秩序が崩れ落ちていく感覚が今も続いています。その時代にあって日本は相も変わらず、米国一辺倒の政策をとり続けています。高市総理の米空母艦上でのはしゃぎ様を正視できなかったことも記憶に残っています。長年の連立から公明党が離脱し、新たに維新との連立で誕生した高市政権は中国との融和路線を捨て対決姿勢を明確にして、中国からの強い反発を招いています。その強硬な姿勢や、排外主義を公言する新党を国民が支持している風潮は戦前の日本社会を覆っていたのと同じ空気感ではないでしょうか。

 高市政権は病床削減や処方薬(OTC類似薬)の保険外し等で医療費の削減を進めることで、現役世代の社会保険料を軽減すると謳い世代間の対立を煽っています。社会保障や医療を守るのは国の責務であって、社会保険料の軽減は医療費の削減ではなく、国費の更なる投入にあることを訴えます。高齢化が進むなか安心して暮らせる、そして必要な医療が受けられる社会がいま何よりも求められるのではないでしょうか。

 先月はじめにすべての保険証が失効しましたが、いまだマイナ保険証はトラブルが続き、医療機関窓口や受診された患者さんの不安、混乱が続いています。我々は保険証の復活とそれまでの間の資格確認書の全員配布を求めています。また地域の医療を担ってきた診療所、病院の経営難が深刻です。人件費の上昇、物価の高騰を全く担保しない低診療報酬によるもので、今年6月の診療報酬改定での大幅アップを強く訴えます。

 本年は午年です。本来馬は走りぬく、力強い、勝利を目指すといった良い意味でつかわれることが多い動物です。昨年は「働いて、働いて…」という高市総理の言葉が流行語大賞に選ばれ、賛否の声が沸き上がりましたが、今年は「馬車馬」のように働かされることのない、心豊かな時代になることを祈り、新年のご挨拶といたします。

奈良県保険医協会 理事長 青山哲也

【奈良保険医新聞第520号(2026年1月15日発行)より】

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