奈良県保険医協会

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第14回奈良県保健医療福祉研究集会を成功させよう

 「食べる」事は人間が生きていく上で必要なエネルギーを摂る、生物の基本的行動だが、日常の行為ゆえに今まではあまりにも軽視されてきたように思う。
 乳児期にはメーカーの提供する瓶詰め離乳食を食べ、レトルト食品、インスタント食品で育ち、小学校ではステンレス食器、先割れスプーンで義務のように学校給食を食べる。朝食抜きで登校、出勤する。生活時間帯の違いで家族バラバラの夕食になっている、とも言う。
 病気で入院すれば中心静脈栄養や経腸栄養での栄養管理が行われ、口から食べるという行為がややもすれば軽視されがちだった。
 こうした事への反省から今「スローフード」という概念や自然食へのこだわり等、食に対する関心、見直しが始まっている。
 また術後の栄養管理においても、生き物はすべて口から必要な栄養を摂取するという原点に立ち返り、入院患者の栄養管理を基本的に経口中心に考え、医師、看護師、栄養士などがチームを組みサポートするというNST(ニュートリション・サポート・チーム)が近年日本でも導入されつつある。
 当会では1992年から毎年その時々の保健、医療に関する話題を取り上げ、関心を持たれる方々と会員とが救 Δ乏悗唸腓・Δ箸い・饂櫃如嵎欸魄緡妬〇禪Φ羹顕顱廚魍・鼎靴討い襦2甬遒砲魯拭璽潺淵襯吋◆⊂・侊澣沺・雜遒覆匹量簑蠅鮗茲蠑紊欧討④拭・br> 今年度は「“食べる”を見直す」をテーマに掲げ、記念講演では藤田保健衛生大学講師の伊藤彰博医師にNSTについてのお話を聴く。日本ではまだ普及しておらず、奈良県でも導入している病院は少ない現状においてNSTの意義、実践方法、そして実際の効果など、興味ある、そして意義あるお話を伺えると期待している。
 シンポジウムでは、病院の管理栄養士、嚥下障害の訓練などを行う言語聴覚士、学校栄養士の方々の発言を予定している。病院では患者の生活をも含めた「食」への指導、言語聴覚士も入ってのチーム医療の実践などの報告、学校現場からは子ども達の小食化、偏食化の進行や、朝食抜きの児童の増加など学校栄養士が感じている問題について聴けると思う。それぞれの立場で「食」に関する現状、問題点、提言などを交流し、異職種間で問題の共有や、連携を探る糸口になる事を期待している。
 また、中学生と高齢者を対象に、食生活などに関するアンケートも企画している。興味深い結果を報告できるのではないか。
 「第14回奈良県保・ 魄緡妬〇禪Φ羹顕顱廚法屐反・戮襦匹鮓・召后彁・亡愎瓦里△訛燭・諒・垢忙臆団困①∪・銈気擦燭い叛擇亡蠅辰討い襦・br>

【奈良保険医新聞第279号(2005年9月10日発行)より】

主張

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