奈良県保険医協会

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衆議院解散・総選挙で国民に信を問う―医療・社会保障を争点に

 9月に民主党・自民党の党首選挙が相次いで行われ、民主党代表は野田佳彦氏が再選し続投、自民党総裁には谷垣禎一氏に代わり安部晋三元首相が就任した。10月1日には内閣改造が行われたが、もはや何の期待も持てず国民には呆れムードが漂っている。
 野田首相は第3次改造内閣の会見で「未完の社会保障・税一体改革を最後までやり抜く」と述べたそうだが「コンクリートから人へ」を掲げた3年前の政権交代は一体何だったのか。OECD並みの医師数、社会保障費の削減廃止、小児科・産科・救急医療の充実などを掲げていたのではなかったか。
 最低保障年金制度、後期高齢者医療制度に代わる新しい制度の創設なども、三党合意により先送りされ、医療関係者をはじめ民主党に期待して投票した有権者の期待はことごとく裏切られた。子ども手当は廃止され、一度も満額支給されることのないまま元の児童手当に戻り所得税の扶養控除だけが廃止され子育て世代には大幅な増税となっている。その上、8月に成立した社会保障・税一体改革法案により、さらに消費税を引き上げようとしている。社会保障費自然増分の削減はされなかったものの、今年の診療報酬改定も総枠で0.004%と引き上げもほとんどなく医療機関経営は苦しいままだ。
 保険業法改定により、2006年より不当に規制されていた自主共済(休業保障)が再開できることになった点は評価できるが、これも保団連と各地協会・医会の粘り強い運動がなかったら実現しなかっただろう。
 解散総選挙は年内にあるのか来年になるのか、まったくわからないが、候補者にはぜひ地元の声を聞いた政策反映をお願いしたい。マニフェストで実行されていない医療・社会保障分野を争点に押し上げ十分な議論を尽くして欲しい。消費税、財源問題、原発問題も重要な争点になるだろう。消費税については、法律は一旦通ってしまったが来年秋に増税するかどうかを判断するため、引き続き反対運動を続けていくことが重要である。
 奈良県保険医協会ではこれまで、患者負担軽減、消費税増税反対、診療報酬引き上げなどを求める署名運動を行い国会に提出してきた。TPPや原発問題にもとりくんできた。さらには共通背番号制にも言及していかねばならない。選挙の時に限らず東京での国会要請行動などでも地元議員事務所を訪問し、懇談を行っている。過去国政選挙の際は候補者アンケートや候補者との面談などを行ってきた。今後もさまざまな要望を出し運動を展開していくので、ぜひ会員各位からも候補者に届くよう要望を上げていただきたい。

【奈良保険医新聞第363号(2012年10月10日発行)より】


主張

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