奈良県保険医協会

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新年のご挨拶

 あけましておめでとうございます。

 平素は奈良県保険医協会にご理解、ご協力をいただいきありがとうございます。新型コロナウイルスの感染拡大が始まりすでに3年を迎えようとしていますが、この間、感染拡大と収束を繰り返し現在第8波を迎えたとも言われています。コロナと社会活動との共存を目指すためにも今以上の医療体制の整備が必要ではないでしょうか。引き続き行政には積極的な提言、要求を進めていきたいと考えています。

 昨年は医療機関におけるオンライン資格確認の義務化や保険証の廃止などが突然表明され、多くの先生方から困惑と不安の声が上がりました。協会、保団連は「オン資確認の義務化反対」を訴えています。同時に国家がマイナンバーカードを普及させようとする意図やその危険性も併せて訴えて参ります。

 昨年10月には高齢者の窓口一部負担金の2割化が実施され、「必要な治療が受けられない」「健康を害した」という切実な声が多く寄せられました。また窓口負担の配慮処置では煩雑な事務を強いられています。介護保険の改悪をはじめ社会保障の後退に対して反対の声を上げ続けます。

 岸田政権は国会での十分な議論もなく、軍事費のGDP比2%や敵基地攻撃能力の保持、また原発の新設や60年を超える継続使用等、これまでの国のありようを変える政策を進めようとしています。安全保障政策や福島原発事故以降の原発政策の根本的な政策変更は時間をかけ、そして開かれた論議が欠かせません。あまりにも拙速な、そして理念のない政策変更には大いなる危惧を感じます。

 奈良県では今春知事選、県議会選挙が行われます。まだ顔ぶれは出そろってはいませんが、我々奈良県民にとって非常に大事な選挙であると言えます。荒井知事が打ち出した地域別診療報酬の実施や、遅れている奈良県の福祉医療政策など県下の諸問題を左右する重要な選挙であり、その結果が注目されるところであります。

 2023年の干支は癸卯(みずのとう)です。ウサギで思い出す言葉として「脱兎のごとし」があります。逃げ出すウサギのように非常に素早い様子をさし、もともとは、古代中国の兵法書、孫子にある「はじめは処女のごとく、後は脱兎のごとし」すなわち「はじめは弱々しくみせて敵を油断させ、後で脱兎のごとくすばやく行動すれば、敵はふせぎようもない」から来ていると言います。まるで岸田首相のことを言っているように思うのは私だけでしょうか。

 

 本年も会員の先生方、ご家族の皆様にとって良い年となりますよう、また変わらぬご指導、ご協力をお願いして新年のあいさつといたします。

【奈良保険医新聞第484号(2023年1月15日発行)より】

主張

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