奈良県保険医協会

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新年のご挨拶

 あけましておめでとうございます。武漢で発生し、昨年1月下旬には日本でも感染者が確認された新型コロナウィルス感染が収束の気配もなく、世界中で猛威を振るっています。年末には第三波の感染拡大が始まり、この紙面がお手元に届く頃にどのような状況になっているのか予断を許さない状況です。
 多くの国民が感染を恐れるあまりに必要な治療を受けることを避け、結果的に重病化につながる事例を多く経験しています。また我々医療者も感染リスクの不安にさらされながら診療を続ける中で、必要なマスクやアルコールなどの入手困難と共に受診患者減少により経営状態が悪化しています。重症者の増加に伴い、医療崩壊が現実のものとなり、いかに日本の医療が脆弱な基盤の上に成り立っているのかを改めて思い知らされました。
 感染拡大を防ぐ有効な政策を提示できず、国民への十分な説明もしない安倍・菅両政権の無策ぶりが露呈したと言えるのではないでしょうか。「国民の命と暮らしを守る」という政権の言葉がいかにも空疎なものに感じられます。
 奈良県保険医協会も感染防止という縛りの中で十分な活動が出来なかったことをお詫び申し上げます。各委員会で企画していた行事、講演会などの活動もことごとく中止せざるを得ませんでした。また理事会もWEB会議を取り入れながら開催してきましたが、十分な議論、活動が出来なかったことを心苦しく思っております。
 この状況がすぐに収束に向かうとは考えづらく、その状況の中で会員の先生方の期待に応えられる協会活動とはどのようなものか、コロナ下での新たな方策を模索していかねばならないと考えています。
 会員の先生方には医療人としての使命感、責任感で日々診療を続けておられることに心から敬意を表します。コロナ感染拡大で恐れ、困窮している国民にとっての安心の砦としての役割を今まで以上に担って頂くことを願っております。また国民の命と暮らしを守るべく、強固な医療インフラを構築する為の施策、財政支出を国・奈良県に求めていきたいと考えています。
 皆様方の一層の御奮闘と、協会へのご協力をお願いして新年のご挨拶といたします。本年も皆様方にとって良い年となりますように。

(理事長・青山哲也)

【奈良保険医新聞第460号(2021年1月15日発行)より】

主張

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