奈良県保険医協会

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もっと女性医師・歯科医師に活躍の場を―女性会員の活動を強化し、組織の発展につなげよう

 全医師・歯科医師に対する女性医師・歯科医師の割合は、全国では18.9%、奈良県では17.4%である(平成22年12月末時点)。20代、30代では女性医師の割合は30%を超え、産科・小児科では半数近くを占めている。同時に女性医師に求められる役割、社会からの期待も益々大きくなっている。
 多くの働く女性と同じく女性医師には、結婚すれば仕事と同時に妊娠出産、出産後は子育てという任務が待っている。日本での育児は、各家庭の事情にもよるが母親(女性)の方に重きが置かれており負担が大きくなっている。子育てが一段落した後は、親の介護という問題も出てくる。主要先進国と比較して日本は女性の就業率、国会議員や企業の管理職、各種団体役員に女性が占める割合は低く、男女共同参画はまだまだ遅れていると言わざるを得ない。
 5月4日に国連NGOのセーブ・ザ・チルドレンが発表した「母親に優しい国ランキング」に寄ると、1位はノルウェーで上位5位までを北欧諸国が独占、日本は32位である。妊産婦、乳幼児の死亡率、教育、所得、女性議員の割合など5つの指標を本に保健、教育、経済、政治への女性参加を総合的に勘案して算出しているらしいが、女性議員の割合の低さが先進国に比べランキングが低い要因になっているとのことだ。
 全国保険医団体連合会(保団連)では、2002年に女性部を立ち上げた。①年々増加する女性医師・歯科医師の要求の把握と組織化、②産休、家事、育児支援など女性医師・歯科医師が働き続けるための環境改善を求めて活動を行っている。2007年には「女性医師の働く環境改善のための提言」も出し、厚労省との懇談するなど政府への要請も積極的に行っている。全国では現在14の保険医協会・医会で女性部や女性医師・歯科医師の会があり、それぞれに工夫して活動している。
 奈良県保険医協会でも数年前より、女性会員の参加を増やして活動を活発化させようと理事会で話し合ってきた。数年越しではあるが、この5月に初めて第1回の「女性会員のつどい」を開催することができた。当日は担当理事から話題提供の後、懇親会でも色々な話題で交流を深めた。女性医師特有の子育て、介護などの悩みというよりは、仕事に特化した医科歯科連携の話題が中心であったが充実した時間で参加して良かった、との感想も寄せられている。
 今後は、年2回程度の機会を作り、交流を深めていきたいと考えている。全国の事例にも学びながら、女性会員の為の活動と組織活性化につなげていきたい。

【奈良保険医新聞第393号(2015年6月15日発行)より】


主張

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