奈良県保険医協会

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第20回保団連医療研究集会を成功させよう

 全国保険医団体連合会(保団連)では地域医療活動を重視するため1976年に地域医療部が新設され、第1回地域医療全国交流集会が開催された。
 1985年の第23回保団連総会では“第一戦医療医学の創造と実践”の強化が重要な課題となった。それは①日進月歩の医学と関連諸科学の批判的摂取のための研修、②第一線開業医集団にふさわしい創造的分野を進めつつ、国民のニーズにもとづく医学体系の再構築に資する、③健康で住みよい街づくりの中における開業医の立場と特徴を生かした地域医療の推進、であった。
 それらの課題のもと、これまでの地域医療交流集会と公害交流集会を合併しておこなうこととし、開業医学会(仮称)として検討がすすめられ、翌年に第1回医療研究集会として開催され、今年で20回目を迎える。

地域を拠点にした演題発表
毎回高い注目の全国調査


 第1回以来さまざまなテーマで開催してきた保団連医療研究集会だが、通常の学会がほとんど大学を主たる拠点としているのに対し、保団連の場合主務は各地の保険医協会で、発表演題は地域を基盤とした保健・医療活動を重視し、広く医療に関わる諸問題を取り上げている。ま た、テーマに関連した全国調査は、内外から高い評価を受けている。
 今年は大阪で、「ひろめよう! 保団連開業医宣言 発展させよう! 安全・安心の医療 戦後60年を迎えた今こそ」をテーマに開催する。
 記念講演には、日本ユニセフ協会大使で、教育学博士のアグネス・チャン氏を迎える。また、在宅医療、公害環境などさまざまなテーマで分科会が開かれる。シンポジウムでは、中国の731部隊など、医学者の戦争責任を考える、従来正面から問うことのなかった問題も取り上げられる予定である。

開業医宣言を見直そう

 保団連開業医宣言は、開業医の現状とその上にたった決意の表明であり、4年間の討議を経て1989年の第27回総会で採択された。10万人の会員を有する組織となった保団連が、社会的に果たす役割は益々大きくなっている。20回目、そして戦後60年となる今年に開業医宣言に立ち返り、開業医と保険医協会の果たすべき役割を考えるということは非常に重要である。
 今年の医療研究集会開催地は、隣県の大阪府である。演題募集の応募締切は5月末だったのが、二次募集で6月末に締切が延長された。開業医医療の交流の場としてまたとないこの機会に 、ぜひ奈良県からも演題を発表し講演を聞きに多数で参加し、成功させよう。

【奈良保険医新聞第276号(2005年6月10日発行)より】

主張

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