奈良県保険医協会

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レセプトオンライン請求義務化問題:厚労省が「義務化」維持で意見公募~パブリックコメントに意見提出を

会員各位、保険医の皆様へ

 ご存じのとおり、レセプトオンライン請求は「義務化」の一方的な政府方針のもと実施期限が定められ、期限が迫っています。現場からは「対応できない」などの声も多く出され、当会は義務化撤回を求めています。すでにオンライン請求をされている会員からも一律の義務化でなく、採否は任意とすることに賛意の声が寄せられています。
 レセコンありの医科診療所は来年2010(平成22)年4月、歯科診療所は2011年4月に義務化が迫ります。オンライン請求実施となると、多くの医科診療所にとって、レセコンの入れ替えや設定、テスト等の準備の着手を考えると、きわめて差し迫った課題です。
 現場からの声を受け、政権交代もあって、厚生労働省は「義務化」を定めた厚生労働省令を改正する方針を打ち出し、10月10日にパブリックコメント(意見公募)手続に入りました。同日付の新聞報道などでも取り上げられました。

【省令改正案のポイント】(おもな項目を抜粋・要約)
 「2011(平成23)年度から原則オンライン化するという方針」を維持したうえで…

(1)次の場合は、義務化を免除(=従来通りの請求継続が可能)
 ①手書きレセで、かつ、年間レセ件数が医科3,600件/歯科2,000件以下
 ②常勤の医師、歯科医師がすべて65歳以上の診療所

(2)次の場合は義務化を猶予または延長
 ①レセ電に対応していないレセコンを使用する診療所=そのリース期間又は減価償却期間が終わるまで猶予(最長で平成26年度末=2015(平成27)年3月まで)
 ②2010(平成22)年4月診療分から義務化対象の、レセコンあり医科診療所=同年7月診療分(8月10日請求分)から義務化(3ヵ月のみ期限を延長)

(3)個別事情がある場合は猶予又は免除
 改築工事中、又は仮の施設で営業中/概ね1年以内に廃止又は休止の計画を定めている、など、きわめて限定的なケース →猶予や免除

 つまり、義務化をやめて任意選択にするのでなく、義務化は維持したままです。免除とするのは手書きレセで件数少数、高齢など限定的です。レセコンのある診療所は猶予はあっても義務化対象です。これでは「義務化」をやめ「原則化」に変えると言った民主党の総選挙公約とは“話が違う”のではないでしょうか。
 請求方法は、従来の紙レセプトも、オンライン等の方法も、任意に選択できるようにすべきです。
 義務化撤回を求める訴訟などで指摘されているように、オンライン請求を義務化することは、憲法にある営業の自由・プライバシー権等の侵害、対応できない医療機関が閉院するなどで患者の受療権を侵害、集められたデータが医療内容の標準化や医療費抑制に悪用される恐れ――など、多くの問題を抱えています。
 厚生労働省は、来年4月期限の診療所の準備が差し迫っていることから、この改正案を短期間で決定しようとしています。意見公募を10月10日~23日までおこない、11月上旬にも施行する予定です。マスコミ報道ではもう決まったように報道されましたが、省令および告示はまだ正式に発出されていません。
 いま、国民の意見が公募されています。ぜひ、現場からの声を政府に届けて、義務化そのものを撤回するよう求めましょう

 この意見公募の詳細(内容や方法)は厚生労働省のページに掲載されています。
 意見の提出方法は、ファクシミリ、電子メール、郵送のいずれかとされており、提出期限は10月23日(金)必着です。eメールかFaxが早くて簡単です。

(参考)
・当会が提出した意見はこちら
・保団連による本件の関連記事はこちら
・本件に関する、レセプトオンライン請求義務化撤回訴訟(神奈川)の原告団幹事長・入澤彰仁氏による談話はこちら。(PDF)

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