奈良県保険医協会

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とてもわかりやすかった――歯科研究会「監査、個別指導を考える」を開催

平成18年度診療報酬改定の主要項目(案)などにもふれてあっという間の3時間
 奈良県保険医協会は本日(2月5日)、「監査、個別指導を考える」と題した歯科研究会を奈良市で開催しました。この研究会は、東京歯科保険医協会事務局長で保団連医療運動推進本部小委員の橋本豊氏を講師に迎えて、その豊富な経験と練り上げられた資料にもとづく最近の全国的な動向を基調に、これからの歯科分野における監査や個別指導を考える講演を聴くものでした。最初から最後までぎっしり詰まった濃密な内容に、予定した3時間はあっという間でした。
 講演は、昨年暮れに厚労省が発出した事務連絡(疑義解釈)と、本日の研究会の直前(2月3日)に示された中医協での診療報酬改定の主要項目(案)にもふれながら、また、当面する診療報酬改定の内容と狙いにも言及しながら、歯科保険診療のカルテ記載や算定項目がどのように変化させられるか、厚生労働省はどういう視点で歯科医師の指導や監査にあたっているのか、というところを鋭く衝くものでした。
 特に今回の診療報酬改定で予定される項目の概要のなかで、指導料が再編されて、患者への文書提供が算定要件となることや患者による受領サインが義務づけられること、あれもこれもと算定要件がきわめて厳しくなっていく事項などに、手書きでは厚労省の求めるカルテ記載が事実上不可能になってしまうだろうとの指摘もあり、参加者は複雑な思いで聞き入りました。
 準備された資料は本体および参考資料、そして関連資料を含めると200ページ近くに及ぶもので、講演も予定した時間(2時間半)でもまだ足りないほどでした。
 参加者から寄せられた感想では、いずれも大いに参考になったというもので「指導・監査でどういうことが問題になるのか、細かい解説や説明、現状について、とてもわかりやすかったです。又、診療報酬改定の話もわかりやすかった」「いい時期に、たいへんありがたい研究会でした。タイムリーな情報の場を期待します。ありがとうございます」などの声、さらに「時間がもっと長ければもっと良かったと思います」との声もありました。

 講演の概要に代えて、以下に、当日配布の資料目次を紹介します。
【橋本氏の講演資料・目次】
はじめに
一、厳しい改定になる診療報酬
 1、歯科は効率化余地があると思われる領域に分類
 2、かかりつけ歯科医初診料
 3、指導管理料
 4、総合的な歯科治療計画
 5、歯周疾患
 6、補綴時診断料と補綴物維持管理料
 7、小児歯科診療
 8、病院歯科初再診料を地域歯科支援病院歯科初再診料に
 9、歯科医師臨床研修のため入院歯科診療加算を導入
 10、旧来型技術の廃止
 11、その他
一、奈良県の歯科保険診療を考えるにあたって
一、51年通知と混合診療の論点整理
 1、「混合診療」の定義と具体例
 2、大臣「合意」に基づく混合診療の動き
 3、「昭和51年通知」をどうみるか
 4、「51年通知」が廃止されると
 5、「51年通知」が廃止に対する疑問点
 6、昭和51年「通知」の背景
 7、現行の制度
 8、11月になってからの混合診療の動き
一、最近の保険医療機関、保険医取り消しの特徴
 2006年
 2005年
 2004年
 2003年
 2002年
 2001年
 2000年
一、個別指導でどんなことが問題にされるのか
 1、個別指導の大きな特徴
  自費・混合診療を詳しくみている
 2、硬組織疾患と材料
 3、軟組織疾患
 4、訪問診療
一、個別指導の対象者のレセプトのどんなことをみているか
一、個別指導で問題にされた具体的事項
 1、届出、保険証
 2、レセプト
 3、カルテ
 4、歯周病
 5、検査・レントゲン
 6、麻酔・投薬
 7、処置・手術
 8、歯冠修復・欠損補綴
 9、その他
一、混合診療と歯科衛生士の業務範囲

【橋本氏の講演・参考資料・目次】
一、カルテ記載で知っておきたいこと
一、個別指導―日頃から準備しておきたいこと
一、カルテの性格
一、かかりつけ歯科医初診料・再診料の通知
一、歯科訪問診療における基本的考え方
一、日歯事件とかかりつけ歯科医初診料
一、通知や規定から考える歯周疾患
一、メインテナンスの考え方
一、Q&Aで深める混合診療
一、かかりつけ歯科医初診料
一、通知の規定があるカルテ等の記載及び文書
一、歯科診療を規定している法律等
一、歯科医 異郷の死
一、現時点の骨子
一、疑義解釈
一、平成18年度介護報酬等の改定について

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