奈良県保険医協会

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集団的個別指導:2019年度「高点数医療機関」選定の平均点数算出対象レセ(診療月)が判明

対象レセは2018年4月~9月診療分(2019年度の選定)
 岡山県保険医協会がおこなった厚生労働省の行政文書開示請求で、集団的個別指導の対象選定に用いる平均点数算出レセプトの対象月が判明しました。今年度(2019(令和元)年度)の選定に用いられた平均点数の算出には『平成30年4月~9月』のレセが使用されていました。
 当初、対象月を示す部分は従来どおり不開示でしたが、同省の他の公開情報から事実上明らかになっていることを把握した同協会が、該当部分の不開示処分の取消をもとめて異議を申し立てる不服審査請求を通じて覆し、開示されました。同協会が機関紙「岡山保険医新聞」で経緯を含めて詳報しました。

岡山県保険医協会が不開示を覆す
 各地の厚生局がおこなう集団的個別指導の対象医療機関を選定するために毎年、各診療科別の類型区分ごとに都道府県単位でのレセプト平均点数と、個々の医療機関の平均点数が算出されて、この数値をもとに上位8%を目安に対象選定がおこなわれています。
 この平均点数の算出に用いられる対象レセプトの診療月は非公開とされていました。近畿厚生局に問い合わせても「知らされていない」と説明があり、厚生労働省に問い合わせると公表しない扱いとの姿勢を崩していませんでした。
 しかし、厚生労働省がホームページで公開していた入札公告「保険医療機関等管理システム」調達仕様書のなかに、システムを開発する業者向けの説明の一環で「平均値情報集計」業務を示し、対象月とみられる記載がありました。この情報をつかんだ岡山県保険医協会が、厚労省が作成した対象月を明確に述べているものの開示請求しても当該記述部分(年月)が伏せられた行政文書について、異議申し立てをおこない「既に公になっている情報」と認めさせることで開示に至ったものです。

2019年度選定以外は不明、次年度は変わる可能性も
 「高点数」判定の対象レセの診療月は、今年度については明らかとなりましたが、次年度も同様であるとは限りません。また、昨年度選定以前の情報も明らかにはなっていません。
 厚生労働省はこれまで、平均点数の算出対象レセの診療月を「公にした場合、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」があることを理由に一貫して開示を拒んできました。厚生労働省にとって、その意に反して、いわばやむなく開示に至った経緯を念頭に置けば、次年度の対象月を変更する可能性も十分に考えられます。

 奈良県保険医協会ではこの件は、次回の日常診療懇話会(医科)、社保研究会(歯科)でもそれぞれ取り上げる予定です。

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