奈良県保険医協会

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TPP協定を今国会で批准しないよう求めて、参院特別委員へ緊急のファクス要請―奈良県保険医協会

 奈良県保険医協会は12月2日、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の承認をめぐる国会審議の状況をふまえて、協定承認案を審議中の“参議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会”に属する委員44氏(奈良県選出の2氏…堀井巌・佐藤啓両参院議員を含む)に対して、緊急のファクス要請書を送りました。

2016年12月2日
国会議員各位
奈良県保険医協会
理事長 青山哲也
[緊急要請]
TPP協定を今国会で批准しないでください

 米国の次期大統領に選出されたドナルド・トランプ氏は、来年1月の就任初日にTPP協定からの離脱を通知すると表明しました。TPPの発効が事実上不可能となった現在、今国会での批准を急ぐ必要はありません。
 私たちは、政府が明らかにしている内容を見ても、以下のようにTPP協定は医療に重大な影響を及ぼすと懸念しています。

新薬の薬価が下がらず、安価な医薬品が手にはいりにくくなる
 薬の特許期間延長で米国製薬会社による新薬の独占やデータ保護期間の長期化により、ジ・ Д優螢奪・緻・覆寮渋い・任④覆い覆匹如⊃渓瑤硫然覆・覆・覆・爾・蕕覆・覆覿欧譴・△蠅泙后・br> 高薬価は、日本の医療保険制度を揺るがします。このほど、厚生労働省は国際的にみてもあまりに高い薬価の「オプジーボ」について緊急値下げを行うことを決めました。TPP協定を批准した場合、今回と同じような対応を行えば、他国の製薬会社から不利益をこうむったとしてISD条項で訴えられる可能性もあります。

国民皆保険の空洞化のおそれ
 国民皆保険制度を支えている薬の価格を決めるプロセスにおいてTPP協定文では、「透明で公正」な手続きを行うように求めています。米国の製薬会社が「透明性」を盾に影響力を及ぼすようになれば実質的に価格決定プロセスが変わることになります。
 さらに、国民皆保険制度について「協議する用意があることを確認」したことも協定文には明記されています。協議によって国民皆保険制度が内側から壊され、空洞化する危険があります。

 地域医療に従事する医師・歯科医師の団体として、今国会でのTPP協定の国会承認を行わないよう、強く求めます。

以上

(参考)
 これまでのTPPに関する当会・ 慮・鬚覆鼻・br>◆医療の市場化拡大で国民皆保険制度の崩壊へと向かうTPPへの参加には強く反対する(2011年2月17日)
TPP交渉参加を決定しないよう求める要請(2011年11月7日)
「平成の売国」であるTPP参加を阻止し、国民皆保険制度を守ろう(2012年2月10日)
TPP参加断念へ尽力求める緊急要請(2013年2月20日)
TPP交渉参加の意向に対し、抗議とともに断念もとめます(2013年3月1日)
安倍首相のTPP交渉参加表明に抗議し、撤回を求める(2013年3月21日)
TPPで潰される日本の国民皆保険制度(2016年4月15日)
[緊急要請]日本だけが急ぐことはありません/TPP協定を今国会で批准しないでください(2016年10月25日)