奈良県保険医協会

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第60回定期総会 決議

 奈良県保険医協会は12月14日、第60回定期総会開催し、次の決議を採択しました。

決議

 自民党と維新の会の連立で10月に発足した高市政権は、両党の政権合意で「現役世代の保険料負担抑制」を錦の御旗に社会保障「改革」をうたい、OTC類似薬の保険給付見直し(給付外しや新たな薬剤費自己負担導入等)・11万床の病床削減をはじめ高齢者の窓口負担増などを目論み、国民生活や事業者を支えるべき「総合経済対策」とそのための補正予算案にもこれらの推進方針を盛り込んだ。同時に、安保3文前倒し改定、敵基地攻撃能力の整備加速と次世代攻撃型潜水艦保有、防衛装備移転3原則見直し等の軍備拡大とGDP比2%防衛費の前倒し実施も掲げている。軍事費は社会保障抑制とは逆に過去最高で突出し異常な聖域化である。いずれも到底受け入れられない。

 強引なマイナ保険証一本化策で12月2日、保険証が失効した。医療機関窓口でのトラブルはなくならず、保険証廃止による混乱の対応は、期限切れ保険証を来年3月まで暫定的に使用可とする弥縫策に示されるように、医療機関に押しつけている。保険証復活が強く望まれる。

 長年の低診療報酬の上に物価・人件費の高騰で医療機関経営は極めて厳しい。今秋の要請署名の取り組みに寄せられた保険医の声は切実だ。「急に収支が悪化、このままでは数年内に医院を廃業」「病院経営は危機に瀕しており、この状態が続けば医療は崩壊してしまう」「診療所の経営状態は悪く、診療機器の更新もままならない。経営継続できない状態」「個人の診療所が赤字とは生活できないということ。借入金も決算には表に出ない」「昨年の報酬改悪以降、同じ仕事量にもかかわらず大幅に減収、人件費・光熱費・材料費の上昇等、支出は増加する一方。真っ当な医療を行うも経営が成立しない現状をしっかりと認識して」「歯科の特に有床義歯の保険点数は技工賃支払えばほとんど残らない。高齢化社会でニーズが増える。診療経営ムリ、なんとかして」等々。診療報酬の大幅引き上げが不可欠である。

 私たちは、“医療をはじめとする社会保障の削減・抑制と大企業優遇、軍事優先拡大”の政策を転換し、平和と社会保障を基礎とした国づくりを求める。当面、特に下記の要求の実現、課題の解決を求める。

1.保険診療体制の安定的な維持・継続のため、保険証を復活させること。当面、資格確認書をすべての被保険者へ交付すること。現場の実情にそぐわない「医療DX」の強引な推進をやめること。

2.地域医療を守るため、物価高騰への対策とともに良質な医療提供に不可欠の、診療報酬の大幅引き上げをもとめる。長期収載先発医薬品の「選定療養」をやめること。処方薬(OTC類似薬)の保険給付外しに断固反対する。

3.患者の医療費窓口負担の大幅軽減を。高齢者が安心して医療を受けられる制度をもとめる。後期高齢者の3割負担対象者の拡大、高額療養費制度の限度額引き上げに反対する。

4.奈良県福祉医療制度(こども・障がい者・ひとり親などの医療費助成)等のさらなる改善をもとめる。償還制を改めすべて現物給付に。一部負担完全ゼロに。所得制限なしに。障がい者は手帳をもつ人すべてにそれぞれ拡大を。

5.福島原発事故処理に全力をあげること。原発再稼働・老朽原発の運転延長をやめ、ただちに原発ゼロの実現へふみだし、原発に依存しないエネルギー政策の確立を求める。

6.集団的自衛権行使を含む安保法制の廃止をもとめる。大軍拡と敵基地攻撃能力保有など憲法違反の“戦争する国づくり”に反対し憲法9条の堅持を求める。軍拡より社会保障充実を。

7.沖縄辺野古の米軍新基地建設を中止し、米軍普天間基地は即時無条件返還を。

8.ロシアのウクライナ軍事侵攻の停戦とロシア軍の即時撤退をもとめる。イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区侵攻の完全停戦と紛争の対話による解決をもとめる。核兵器による威嚇・核抑止政策に反対し、日本政府の核兵器禁止条約への参加をもとめる。

9.政策を歪め大企業優遇政治につながる、企業・団体による政治献金の全面禁止をもとめる。

2025年12月14日

奈良県保険医協会 第60回定期総会

見解

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