奈良県保険医協会

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「高齢者いじめの負担増」の中止を求めます

 厚生労働省が12月8日、来年度に向けた医療制度改革について社会保障審議会に最終案を示し、高齢者や医療の必要性の高い患者さんに容赦のない負担増を強いる内容となっています。この問題に対して、来年度予算編成に向けた与党協議がすすめられる状況のなか、奈良県保険医協会は12月16日、そのような負担増計画を中止するよう求める、緊急のファクス要請書を、奈良県関係国会議員へ送りました。

2016年12月16日
国会議員各位
奈良県保険医協会
理事長 青山哲也
[緊急要請]
「高齢者いじめの負担増」の中止を求めます

 厚生労働省は、12月8日の審議会で、この間議論を重ねてきた新たな負担増について、最終案を示しました。その内容は、高齢者や医療の必要性の高い患者さんに負担増を集中する提案となっています。
 入院時の居住費については320円を370円に引き上げ、これまで負担のなかった医療の必要性の高い患者(医療区分Ⅱ、Ⅲ)も徴収対象とされます。
 高額療養費制度の70歳以上の外来の限度額は、「現役並み」に加 え、「一般所得」についても2倍に引き上げる提案もなされています。
 さらなる負担増は受診抑制をいっそう深刻化させ、重篤化を招き、かえって医療費の増加が懸念されます。
 医療や介護が受けられない患者さん、利用者さんを増やさないよう、私たち医師・歯科医師は、さらなる医療・介護の負担増の中止を要望します。

一、入院時の光熱水費の負担を増やさないこと
一、70歳以上の患者負担限度額(高額療養費)を引き上げないこと
一、後期高齢者の保険料を引き上げないこと
一、介護利用料の引き上げをはじめ、介護分野の負担増をしないこと

以上

 その後、来年度政府予算案の検討においては、社会保障審議会で示された原案を若干修正をほどこしたものの、新たに患者負担を強いる内容を含んだまま決着し、政府予算案が12月22日に固まったと報じられています。
 年明けの通常国会に提出される予算案は、国会審議を通じて、このような負担増は見直され、是正されることが強く望まれます。

見解

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