理事会声明「診療報酬マイナス改定は回避したが医療再生にはほど遠い改定率―改定率の見直し、引き上げを求める」
奈良県保険医協会は1月19日に開催した定例理事会で、政府・与党が決めた2012年度診療報酬改定の改定率について、以下の声明を確認しました。
声明は、野田佳彦首相、小宮山洋子厚生労働相、安住淳財務相、前原誠司民主党政調会長に送付しました。
奈良県保険医協会
2012年度第2回理事会
診療報酬マイナス改定は回避したが医療再生にはほど遠い改定率
―改定率の見直し、引き上げを求める
政府は12月21日、2012年4月実施の診療報酬改定について、総枠でほぼ据え置きの0.004%増(本体1.379%〈医科1.55%・歯科1.70%・調剤0.46%〉、薬価・材料価格▲1.375%)とする改定率を財務・厚生労働両大臣の合意として発表した。
改定幅をめぐっては診療報酬本体でのマイナス改定を求める声が財務省や財界から出される中で、診療報酬本体を1.55%引き上げ、0.004%増であっても総枠でのプラス改定としたことは、不十分ではあるが当会をはじめ保団連など全国の保険医協会、日医・日歯など多くの医療団体・医療従事者の診療報酬引き上げを求める運動・ 寮・未任△襦・/p>
しかし、前回2010年改定は、0.19%のプラス改定とされながら、昨年11月発表の中医協医療経済実態調査の結果ではすべての医科診療所と歯科診療所の医業経営の指標である損益差額が減り、窮状が浮き彫りとなって、実質はマイナス改定であったことを示した。
診療報酬は、医療従事者の待遇改善や設備更新に必要な経営の原資であり、患者・国民にとっては、社会保障としての医療を受ける権利と給付の水準を決めるものである。
私たちは、安心・安全の保険医療のためには診療報酬の引き上げこそ必要と訴え、要望してきたが、今回の改定率では医療再生にはほど遠い。
政権を担う民主党は、その政権公約(「民主党政策集INDEX2009 医療政策(詳細版)」)において、「累次の診療報酬マイナス改定が地域医療の崩壊に拍車をかけました。総医療費対GDP比をOECD加盟国平均まで今後引き上げていきます」と明記していた。
これらに照らして、今回の政府の改定率の決定に抗議する。
このまま医療費抑制を続ければ、地域の第一線医療を担う医科・歯科診療所、中小病院など医療提供体制全体を疲弊させ、医療崩壊を進める。医療再生には医科・歯科診療所・ ・羮・賊,諒鷭靴魄悊Ⅹ紊欧襪戮④任△襦2・衫┐鮓・召掘△佞澆海鵑瀬廛薀慌・蠅鮃圓Δ茲Δ剖・・瓩瓩襦・/p>
見解
- 2022年12月23日第57回定期総会 決議
- 2022年7月29日理事長声明「安倍元首相の国葬に反対する」
- 2022年3月3日【声明】プーチンの暴走とロシアによるウクライナ侵攻に抗議するとともに、ロシア軍の攻撃中止とウクライナからの即時撤退を求める
- 2021年9月24日コロナ特例の診療報酬、9月末での打ち切り表明への抗議と10月以降の継続を求める緊急要請
- 2021年7月26日理事長談話「ヒロシマ・ナガサキ、そしてオリンピック」
- 2021年5月26日「75歳以上の医療費窓口負担2割化」法案、少なくとも今国会での審議・採決はやめて、コロナ対応に集中を
- 2021年2月24日理事会声明「日本政府の核兵器禁止条約への参加は唯一の戦争被爆国としての責務」
- 2020年12月13日第55回定期総会 決議
- 2020年11月14日声明:日本学術会議に対する違法・違憲の人事介入に抗議し、推薦された候補者すべての任命を求める
- 2020年9月18日奈良県へ要望:地域別診療報酬ではなく、すべての保険医療機関に対する給付金等の財政措置を求めます
- 2020年2月4日厚労省公表の公的病院再編・統合「再検証」リストの問題をめぐり、当会など4団体で共同声明
- 2019年12月25日第54回定期総会 決議
- 2019年4月23日健保法等一部改正法案の徹底審議を求めます
- 健保法等一部改正法案の徹底審議を求めます
- 2018年5月17日理事会声明:奈良県の医療の質を低下させ、空洞化、崩壊に導く「地域別診療報酬」―その導入も、検討も、断固として反対する
- 2017年11月21日声明:マイナス改定は容認できません/地域医療を立て直すために診療報酬・介護報酬の大幅な引き上げを求めます
- 2017年6月16日声明:「共謀罪」(「テロ等準備罪」)を新設する組織犯罪処罰法等改正案の採決強行・成立に抗議し、廃止を求める
- 2017年3月22日声明:共謀罪(「テロ等準備罪」)新設に反対します
- 2016年12月23日「高齢者いじめの負担増」の中止を求めます
- 2016年12月3日TPP協定を今国会で批准しないよう求めて、参院特別委員へ緊急のファクス要請―奈良県保険医協会
- 2016年10月25日TPP協定を今国会で批准しないよう求めて、衆院特別委員と地元国会議員へ緊急のファクス要請―奈良県保険医協会
- 2015年9月19日[声明]安全保障関連法案の強行採決、可決・成立に断固として抗議する
- 2015年9月4日参議院議員あて「安全保障関連法案の拙速な採決に反対し、同法案の撤回、廃案を求める」要請―奈良県保険医協会
- 2015年7月16日[声明]衆議院での安全保障関連法案の採決強行に強く抗議し、同法案の撤回、廃案を求める
- 2012年10月5日オスプレイの配備に抗議、撤回求める声明/理事長と反核平和委員長
- 2012年7月20日理事会声明「日本の核武装を想起させる原子力基本法の改悪に抗議する」
- 2012年7月2日理事長声明「消費税増税関連法案と『社会保障制度改革推進法案』の衆議院での採決強行に抗議し、参議院での廃案を要求する」
- 2012年6月8日理事長声明「改めて大飯原発の再稼働に反対する」
- 2012年4月20日理事会声明「大飯原発の『安全宣言』に抗議し、再稼働に反対する」
- 2012年1月20日理事会声明「アメリカの新型核実験に抗議する」
- 理事会声明「診療報酬マイナス改定は回避したが医療再生にはほど遠い改定率―改定率の見直し、引き上げを求める」
- 2011年3月22日福島原発事故に対する声明
- 2011年2月18日医療の市場化拡大で国民皆保険制度の崩壊へと向かうTPPへの参加には強く反対する
- 2010年10月8日〈声明〉犯罪捜査のプロを指導監査に活用する提案と、その問題点を認識しない厚生労働省に強く抗議する
- 2009年11月30日副財務相の診療報酬引き下げ発言に対し財務省へ抗議文~奈良県保険医協会
- 2009年11月6日厚生労働省の政務三役に、レセオンライン義務化撤回求める要請書を送付/奈良県保険医協会
- 2009年10月19日レセプトオンライン請求義務化に関する請求省令の改正案への意見
- 2008年8月25日集会アピール(後期高齢者医療制度の廃止をもとめる奈良県集会)
- 2006年6月14日国民から医療を遠ざけ、国民皆保険制度を壊し、高齢者に苛烈な負担を強いる医療制度「改革」関連法案の可決・成立に抗議する
- 2006年5月19日国民皆保険制度を崩壊させる医療「改革」法案の強行採決に抗議する
- 2006年1月10日(休載)
- 2005年12月20日診療報酬・介護報酬の大幅引き下げに抗議する
- 2005年11月1日国民皆保険制度の発展と逆行する医療構造改革試案に反対、患者負担軽減・診療報酬改善など求めて中央行動(10月27日)
- 2005年10月4日「制限回数を超える医療行為への混合診療導入」の中止と、診療報酬における、医療上の根拠があいまいな回数制限の廃止を求める緊急要請書
さらに過去の記事を表示