奈良県保険医協会

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第23回参議院選挙へ向けて―医療・社会保障の充実を求めよう

 7月4日公示、21日投票で第23回参議院議員選挙が予定されている。
 昨年末の衆議院解散・総選挙から半年あまりしか経っていないが、社会保障、TPP、改憲問題などの重要な課題が目白押しになっている。
 社会保障関連分野では6月中に経済財政諮問会議の「骨太の方針」、8月21日までに「社会保障制度改革国民会議」の結論を出すとしている。アベノミクスで景気回復ともてはやされているが、社会保障では自助・自立を基本とした自己負担増の発言が次々と出されている。
 後期高齢者医療制度廃止を公約に掲げて2009年に政権交代した民主党が公約実現しないまま退き、再び自民党政権に戻ったが、後期高齢医者医療制度は廃止されないまま、「社会保障・税一体改革」を具体化すべく益々改悪されようとしている。
 TPPは交渉参加することが閣議決定され、実際に協定を結べば日本の食の安全と国民皆保険制度がおびやかされる。憲法改正に躍起になっている安倍首相は、96条を改正し、改憲のハードルを下げようとしている。とても国民のことを考えている首相には思えない。
 消費税も増税するかどうかは今夏判断されるというものの、来年4月からは5%から8%に引き上げられる可能性が高い。アベノミクスで物価上昇し、景気回復と言われているが、庶民の所得が増えなければ、本当の景気回復は見込めないだろう。今年4月以降は電気料金や食料品の物価も上がり、庶民にとっては益々家計が苦しくなってくる。
 高齢者の70歳から75歳の医療費1割から2割への負担増も、引き続き検討されている。2010年と2012年の診療報酬改定はほんのわずかプラス改定ではあったものの、医療崩壊を食い止めるテコ入れはされていない。
 2011年の東日本大震災と福島第一原発事故の処理もすすまないまま、世論の反対の声を無視して安倍内閣は原発輸出をすすめようとしている。国民、特に子どもの被曝問題を医療者として見過ごすことはできない。
 参議院選挙まで1カ月あまり、各候補者が出揃う中、奈良県保険医協会としても候補者への候補者アンケートや政党との懇談を積極的に行っていきたいと考えている。投票日までおおいに政策議論し、未来を託せる候補者と政党に貴重な一票を投じよう。

【奈良保険医新聞第371号(2013年6月10日発行)より】


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