奈良県保険医協会

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福島原発事故に対する声明

 奈良県保険医協会は2011年度第4回定例理事会(3月17日)での確認をもとに次の声明をまとめました。

2011年3月18日
福島原発事故に対する声明

 3月11日にM9.0という東北太平洋沖大地震は、大津波によって多くの犠牲者を出すとともに、東京電力福島原子力発電所の炉心溶融、爆発事故を次々と引き起こした。環境に放射性物質が拡散されれば、壊滅的な被害となることは、チェルノブイリ原発事故が事実として示している。とくに第1原発3号炉ではウランとプルトニウムのMOX燃料を使用している。プルトニウムは自然界には存在せず、ウランの核分裂生成物として唯一原子炉内で生成される。放射性物質の中でもプルトニウムは最も有毒な発ガン性物質であり、半減期は2万年以上と長く、体内に摂取されると排出するのは不可能である。摂取量によっては死亡する可能性がある。大気中に拡散したプルトニウム、セシウム、ヨードなどの放射性同位元素を体内に取り込むことにより起こる内部被曝の危険性は重大である。低レベル放射線の生物学的影響を長年調査してきた米国科学アカデミー委員会は「放射厨 ・鑁・離螢好・歪秬・未忙蠅襪泙把樟・・紡減澆径海縁臙佑呂覆・∈脳・造糧鑁・任眇洋爐紡个靴憧躙韻魑擇椶慌椎柔④・△襦・廚畔鷙陲靴討い襦・/p>

 地震と津波で大切な家や家族を失った上に被爆の脅威にさらされている被災者の不安と苦しみは、二重三重にもなっていると察する。
 日本政府は原発からの退避距離を20kmとしているが、アメリカやフランスは自国民に原発から80km以上の退避勧告を出している。こうした中で、政府と東電は原発事故に関する具体的な情報を公開することなく、胸部レントゲン撮影の放射線量と比較して少ないと解説している。このことは、アメリカをはじめ諸外国の対応と比べると、被災者の不安をさらに助長するものである。

 私たち、奈良県保険医協会は一刻も早い原発事故の収束を願い、今回の未曾有の大地震の被災者に対して心よりお見舞い申し上げ、できる限りの支援活動に取り組むとともに、原発事故について政府と東京電力に以下のことを強く求める。

  1. 福島原発事故に関わる正確で、具体的な情報を公開すること。
  2. さらなる被曝を防ぐため、遠隔地への退避の実施など具体的な予防処置をとること。
  3. 拡散する放射性物質による内部梅 鑁・鯔匹阿燭瓩龍饌療・・・鬚箸襪海函・/li>
  4. 被災地域の住民をはじめ、自身の身体の危険を顧みず原発事故処理に携わった人々の今後の健康と生活の保障を確約すること。

(奈良県保険医協会理事長・坪井裕志/同・反核平和委員長・西野恒理)

 この声明は、政府と東京電力に送付しました。

見解

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