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決算対策8つのポイント

経営に役立てる医院の会計と税務 税理士 西村 博史

 ここに掲載した記事は、それぞれ掲載時点の情報です。税制の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。

【2015年11月】決算対策8つのポイント

 年末を控え、決算対策のチェックが必要な時期になりました。あらためて、節税のポイントに漏れがないか確認してみましょう。

01)青色申告特別控除

 青色申告特別控除は、貸借対照表を確定申告書に添付することにより、事業所得等から65万円の控除を受けることができる制度です。  なお、正規の簿記により記帳していない場合には控除額は10万円となります。

02)専従者給与

 青色申告者で青色事業専従者給与の届出書を提出し、支給した青色事業専従者給与は必要経費に算入されます。

 親族であっても、非同居で別に生活しているような場合、一般の従業員給与となり、届出も不要です。

 専従者給与の金額が労務の状態にそぐわない場合には、遅滞なく変更届出書を所轄税務署長あて提出し、専従者給与の増額(減額)をすることができます。

03)少額減価償却資産

 青色申告の場合、1個1組の金額税込30万円未満(税抜経理は税抜金額)の減価償却資産を購入し年内に使用した場合、年額300万円以下を上限として必要経費に算入できます。

 白色申告の場合10万円未満の減価償却資産に限られます。

04)雇用者給与等支給額が増加した場合の税額控除

 青色申告の場合、雇用者給与(専従者など親族給与を除く)につき、増加した給与の10%を税額から控除する所得拡大促進税制の適用が可能です。

 ①平成27年分給与総額が基準年度である平成25年給与総額より2%以上増加している。②平成27年分給与総額が前年の平成26年分給与総額を下回らない。③継続雇用者の1人当たりの平均給与支給額が前年対比で超えている。ことが必要です。

05)短期前払費用

 支払時から1年以内分の家賃等を前払した場合には、その前払家賃全額が必要経費となります。年末までに実際に支払すること、契約書を改定することです。なお、税理士の顧問料などは対象となりません。

06)小規模企業共済

 掛金(月額最高7万円)は、全額所得控除の対象となります。11月20日までに納付月変更届を提出した場合、先払いが可能となり、翌1年分の所得控除の先取りが可能です。

07)医療費控除

 医療費控除には、所得金額の5%と10万円という足切制度があります。しかし、家族分を1人にとりまとめて足切金額を超えると還付になる場合があります。

 最も所得の多い家族にまとめて申告すると還付税額が多くなることがあります。

08)社会保険料控除

 国民健康保険料や国民年金などの社会保険料については、生計を一にする親族分を所得の最も多い家族にまとめて申告する場合には、親族分を含めて所得控除の対象となり、節税効果が最も大きくなる場合があります。

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