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休憩時間が長くて、その結果「拘束時間」が長くなってもいいのか

雇用問題Q&A 社会保険労務士 曽我 浩

 「月刊保団連」の好評連載記事から、著者および発行元の許可を得て転載して紹介します。
 なお、ここに掲載した記事は、それぞれ掲載時点の情報です。関係法令の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。

休憩時間が長くて、その結果「拘束時間」が長くなってもいいのか
【2011年11月】


 当院は診療開始が午前9時、終業は午後7時です。所定労働時間は8時間なので休憩2時間としています。従業員から「休憩時間が長すぎる」と言われましたが、長すぎるでしょうか。

A
 休憩時間を長くすると拘束時間が長くなるわけですから、法定以上に休憩時間を長くすることは好ましいことではありません。しかし、2時間程度は許容の範囲です。休憩時間の長さは法律で決まっているわけではありません。3時間を超えると許容の範囲を超えているといわれています。


 そもそも休憩時間は法律ではどうなっているのですか。

A
 1日の労働時間が6時間を超えるときは少なくとも45分、8時間を超えるときは少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えることになっています。そのほか休憩時間は一斉に与え、自由に利用できるようにしなければなりません。


 残業に入る前には休憩時間を取らせなければいけないと聞きましたが。

A
 そんなことはありません。今の日本では1日何時間働いても休憩時間を1時間与えればいいことになっています。


 それでは、午後3時から午後7時までのパート職員には休憩を与えなくてもいいのですか。

A
 そうです。労働時間が6時間以内であれば休憩時間を与えなくてもいいのです。


 休憩時間は自由に利用できるといっても、自宅に帰ったりして緊急の運絡が取れないと困るので、許可制にしてもいいのでしょうか。

A
 正当な理由なしに許可しないということは問題ですが、許可制にすることは問題ありません。


 休憩時間は一斉に与えなければいけないのでしょうか。交代で電話番をしてもらうことかあります。

A
 休憩をとっている人の近くで他の従業員が仕事をしていたのでは気分も落ち着けません。つまり休憩の効果が上がりません。しかし、医療機関ではやむを得ず電話番をしてもらうことがあります。そのため医療機関など保健衛生の事業は一斉休憩の原則の例外事業所となっています。しかし、電話番の人はその間休憩をとっていないことになりますから、後で休憩をとれるようにすることが必要です。


 診療所内は禁煙にしています。それで、近くのコンビニまで行ってたばこを吸ってくる職員がいますが、1日20本くらい吸うので馬鹿にならない時間になります。この時間は休憩時間にならないのでしょうか。

A
 「労働時間」とは、一般的に、使用者の指揮監督のもとにある時間をいいます。最近はかなり広い範囲で労働時間とされています。いくらたばこを吸っているといっても、就業規則などで明確にしておかない限り、休憩時間とするのは難しいでしょう。


 しかし、これはサッカーの「ロス・タイム」と同じではないでしょうか。

A
それでも何らかの形でたばこを吸う時間を休憩時間であると明確にしておかない限り難しいでしょう。

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