奈良県保険医協会

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介護保険改正真の狙いは介護給付費の抑制だ

 介護保険が施行されて5年目の見直しの時期が来た。政府が「社会保障の見直し」と言う時は、決まって改悪である。今回もその例に漏れず改悪であり、国民が最も喜んで有難がっているところを直撃する事も全く同じである。2002年診療報酬大幅引き下げの時もリハビリテーションがカットされた。
 今年になって介護保険改悪の政府案がテレビ、新聞等で示されている。それを見たお年寄り達は外来の待合室で「新しくなる前に入っておこうか」「否、もう審査が厳しくなって入れないそうだ」とか危機感を募らせている。介護保険料が年金から天引きされている。この額が昨年引き上げられて生活費を圧迫されているから不満も倍増である。介護保険を受けないで頑張って来た人達には気の毒な事だ。
 改正の主な内容は「介護予防給付」と「施設入所者のホテルコスト負担」である。最も利用度の高い「要支援」と「要介護1」が消滅して非該当となると市町村による地域支援事業に回され、一部これに入れないものが介護給付となって生き残る。これが「新予防給付」という新しい区分で、介護にならないように予防をする方法が講じられることになる。介護は受けられないが日常生活が自立出来る・ 茲Δ鳳親圧’酬盈・靴討發蕕ぁ⊆・・・・・・饗Г箸いΔ海箸砲覆襦・br> 現場で見ている限り、要支援・要介護1を受けている方達の利用が一番多く、一番感謝しているのだ。これを非該当という烙印を押されたら非常に落胆するであろう。このような非情なメスが用意されている。
 市町村が地域支援事業をどれだけ全う出来るのか、もし都合で受けられない者が出たらそれは自立の意志のない者として切り棄てて行くのだろうか。ボディーチェックは誰がするのか、ただでさえ身体に問題のある人を集めて訓練するにあたり安全管理と共に有効な訓練は両立するのか、その費用は市町村が負担するのか。地方に丸投げされて受ける側はどうなるのか。
 テレビではモデルケースとしてADLが改善し日常生活のレベルが向上したとしているが、脱落者はどうなるのか。すべて自己責任で片付けられてしまいそうである。支援する側のスタッフは情熱を持って事に当れるのか。
 現場を考えないで机上で支出を如何に切りつめるかだけを考えて政策を立案するからこうなる。現場から声を上げて改悪に反対し血の通った介護保険にしなくては5年目の見直しの意味がない。
 施設入所者のホテルコスト負担は、将来医欲 鼎痢崙・“顱廚貿筏擇垢覺躙韻鬚發呂蕕鵑任い襦・

【奈良保険医新聞第273号(2005年3月10日発行)より】

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