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【第38回】退職後や休日に年休は請求できるか

開業医の雇用管理ワンポイント 社会保険労務士 桂好志郎(桂労務社会保険総合事務所所長)

 ここに掲載した記事は、それぞれ掲載時点の情報です。税制の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。

【第38回】退職後や休日に年休は請求できるか

◇1日4時間だけのパートの年次有給休暇は?

 パートなどのように、所定労働日数が少ない職員の年次有給休暇(以下年休という)については、一般職員の所定労働日数と比較して、その割合により計算した年休日数を与えることとされています。これを比例付与方式といいます。(参考:表1)
  その対象となる職員は、週の所定労働時間が30時間未満の者であって、(1)週所定労働日数が4日以下の者、(2)週以外の期間で所定労働日が定められている場合には、年間の所定労働日数が216日以下の者となっています。

表1 週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間数が30時間未満の職員

週所定
労働日数
1年間の
所定
労働日数
雇い入れの日から起算して継続勤務期間
6ヶ月 1年
6ヶ月
2年
6ヶ月
3年
6ヶ月
4年
6ヶ月
5年
6ヶ月
6年
6ヶ月以上
4日 169日~216日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 121日~168日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 73日~120日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 48日~72日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

 従って、週4日勤務のパートでも1日所定労働時間が8時間の職員は、週の所定労働時間が32時間となりますので、通常の職員と同様に付与されます。(参考:表2)
  1日所定労働時間が4時間でも週5日以上勤務しているなら通常の職員と同様の付与日数となります。

表2 週所定労働日数が5日以上又は週所定労働時間数が30時間以上の職員

勤続年数 6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月以上
付与日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日

◇契約期間満了後、更新する場合は、再度計算するのですか?

 ご承知のように、年休の付与要件は、(1)雇入れの日から起算して6カ月継続して勤務すること、(2)全労働日の8割以上出勤すること、とされています。
  雇用契約期間を終え再度契約を締結した場合、これを継続勤務と見るかどうかが問題となります。この場合は、その労働関係を継続したものとみるかみないかは、その実態において判断することになります。契約を更新する場合は、最初の契約の終了時と次の契約の開始時に空白の期間がある場合でも、空白の期間が長く客観的に雇用関係が断続していないとみられない場合を除き継続勤務とみなされる場合が多いといえます。医院の場合、1日も空白期間なく更新することが一般的ですので、継続勤務とみなし、年休を与える必要があります。

◇3月末で退職することになっている職員が退職後に年休を取りたいと言っています。また休日にも年休を取れるのですか?

 休暇というのは労働日について労働義務の免除を労働者側の申出によって得た日のことです。労働日であることが前提になります。
  退職後(雇用関係終了後)とか、休日については、年次有給休暇を請求することはできません。

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