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【第31回】時間給のパート職員から月給制への変更を申し出られた

開業医の雇用管理ワンポイント 社会保険労務士 桂好志郎(桂労務社会保険総合事務所所長)

 ここに掲載した記事は、それぞれ掲載時点の情報です。税制の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。

【第31回】時間給のパート職員から月給制への変更を申し出られた

 生活が安定しないので、月給制に変更して欲しいとの申し出がありましたが、月給制、日給、時間給の区別がよくわかりません。また変更するときに気をつける必要があるのはどんなことでしょうか。

◇時間給、日給、月給どれにするかは難しい問題ですが

 フルタイムで働く職員は月給、パートタイマーは時間給でと定めている医院が多いように思いますが、今一度、仕事の内容と所定労働時間の契約内容等から検討してみたいと思います。まず仕事の内容として時間給が適当であるとされる場合は、①同じような労働を繰り返し、仕事の内容が単純なもの、そして労働の結果が、短時間でわかるような仕事。②労働時間が業務の量に大きな決定的な重要性をもつもの
  月給の場合はこれらも含みながら、
①仕事の内容が複雑で、評価も一定の期間かかるもの
②仕事の量が必ずしも労働時間数と関連しないもの
③また人によっては、経営・労務管理も含むものなどがあげられます。
  所定労働時間については、①本人の都合で、月や週で所定労働時間が大きく変わる職員は、月給制にすると給与額と労働実態が合わないことがあります。②年間を通じて仕事量が多く変わる事業場も同じことが言えます。
  どちらにしても基本給だけでは、充分な対応や評価ができないこともありますので、一般的には目的や機能別の諸手当で補完していくことになります。
  月給制はもともと厳密に稼動日数や労働時間数と対応した賃金制度ではありません。例えば所定休日を毎週木曜日、日曜日及び祝日と定めている医院では、祝日のない六月と祝日が多くある五月とは大きく変わります。ここにも使用者の性格や考えが反映します。

◇働く職員の立場、希望からの検討も大切

 新規開業のとき、30名を超える応募者のなかで、面接者全員が一番目に採用したかった応募者から採用承諾を取れず、がっかりした経験談をお聞きしたことがあります。その訳は、「労働条件は自分にぴったりだし、院長先生もすばらしい、ただ給与に関して時間給とあり、同じ日に面接した医院は月給制だったので、そちらを選びました」とのことです。
  毎週決まった曜日、時間に勤務する職員でも、時間給の場合は、夏期休暇、年末年始休暇や5月の連休などで、勤務時間が極端に少なくなるため、収入が安定しません。勤務時間が短い場合は、時間給が多いと思いますが、毎月一定の収入確保が必要な職員は、むしろ月給制の方が適している場合があり、いずれが職員の勤労意欲を高める上で効果的か、あわせて考えることも大切なことです。

◇日給月給と完全月給の区別と欠勤控除の計算方法の定めを

 ノーワーク・ノーペイの原則により、欠勤した場合に賃金をカットする日給月給にするのか、カットしない完全月給にするのか、まず定めておくこと。
  日給月給にした場合、どのような方法で控除するのかは、当院の規定によります。一般的な方法としては、1ヶ月の暦日数や所定労働日数を按分して、欠勤一日について月額の30分の1とか22分の1を控除するやり方が多いようです。

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