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【第17回】休憩時間の長さ

開業医の雇用管理ワンポイント 社会保険労務士 桂好志郎(桂労務社会保険総合事務所所長)

 ここに掲載した記事は、それぞれ掲載時点の情報です。税制の改定や行政当局の新たな通知等によって、取扱いが変更されている事項が含まれている可能性があります。ご高覧にあたって、予めご了承ください。

【第17回】休憩時間の長さ

労働時間 6時間を超え8時間以下の場合 8時間を超える場合
休憩時間 45分以上 1時間以上


 6時間を超える場合とは

A
 始業後6時間を経過した際少なくとも45分の休憩を与えなければならないとの意味でなく、一勤務の実労働時間の総計が6時間を超え8時間までの場合は、その労働時間の途中に45分の休憩を与えなければならないとの意味。


 所定労働時間が7時間で2時間時間外労働すると

A
 労働時間は9時間となり、45分の休憩のほかにさらに15分の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならないことになります。延長時間が何時間であっても、15分の休憩を追加すれば違法ではありませんが、蓄積される心身の疲労を回復させるため、適切な長さの休憩時間を付与することが望ましいと言えます。

◇休憩時間の与え方


 一斉に与えなければならないか

A
 労基法は、休憩時間を実質的に確保しそれを実効あるものとするため、一斉に付与しなければならないと規定しています。しかし業種によっては一斉休憩の原則を適用すると公衆の不便を生ずる等のため不適当な場合があるので、特例として、保健衛生業等は休憩時間を一斉に付与しなくてもよいことになっています。


 休憩時間をどう分けてもよいか

A
 45分または1時間をどう分けても問題ありません。その時間を昼食のためにすべてあてても差し支えありませんし、1時間を昼食時間40分にして、他に各10分をお茶タイムにしても問題ありません。


 休憩時間中に電話当番を命じた場合は

A
 当番を決めて電話の応対を命じている医院がありますが、休憩時間とは、労働から離れることを保障されている時間であって、いつでも就労できるように待機している手待時間は、休憩時間でありません。この場合は休憩時間を他に与えなければなりません。


 休憩時間中の外出について

A
 休憩時間中といえども、使用者の業務命令下から解放されているだけであって拘束時間中であることから「休憩時間の利用について事業場の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を害わない限り差し支えない」とし、外出についても、許可を受けさせることについて「事業場内において自由に休憩し得る場合には必ずしも違法にならない」とされています。

開業医の雇用管理ワンポイント

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