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主張

2020年9月15日(火)

これからのコロナ感染対策、これまでの臨床現場での対応

 1月に発生した新型コロナウイルスは瞬く間に日本全国に拡散し、有効な対策を講じることができず4月に入り第一波が来たことで緊急事態宣言が発令、多くの業種で規制が始まった。しかし、5月下旬に緊急事態宣言を解除したため再び感染者数が増加し、7月にGoToキャンペーンを強行したことで第一波より拡大した第二波を招いている。臨床現場は4月頃より対策が本格化して一定の効果を認めたが、有効な診断方法、治療薬ならびにワクチンがないことより終始守りの医療体制となっている。

日本の医療がうまく対応できない背景
 コロナ感染拡大の前、高齢者増加による医療費を減らすため政府は様々な手立てをとってきた。入院ベッドを減らすための地域医療構想、介護施設への不作為、保健所の人員削減など社会保障の資源を削っていたため突然の多数のコロナ感染患者に対応困難となった。

受診抑制の拡大
 世界中の膨大な感染者数ならびに死亡者の増加を目の当たりにして、PCR検査が容易に受けられず多くの日本人が不安にかられ、またマスコミの報道などもあり医療現場では受診抑制が起きた。この現象はコロナ患者を積極的に受け入れた市中の中核病院ならびに歯科、小児科、耳鼻科、皮膚科、眼科など患者さんとの接触が避けがたい診療科に特に大きく発生した。その結果、多くの医療機関が患者数減少ならびに収入減になっている。

これからの展望
 9月1日現在日本の感染者数は7万人近くになり、有効な治療薬ならびにワクチンが無い現状では感染を急に収束させることは不可能である。したがってゆっくりであっても確実に感染者拡大を防ぐためには症状のあるなしに拘わらず迅速に頻回にコロナ感染の有無を診断し、陽性者を適切に管理することである。一番信頼できるPCR検査を拡充することは国の施策を待つまでもなく民間、各医療機関で可能である。陽性者は現在のベッド数ならびに医療人員であれば、まだ管理可能である。また陰性であれば過度に不安に駆られて日常生活を制限する必要はなく、医療機関も患者さんも陰性であることがわかれば受診抑制は緩和され、本来の医療を取り戻せるであろう。
 地域別診療報酬の1点単価を上げて医療機関の減収に当てるという奈良県知事の意見があるが、木を見て森を見ないたとえの如く、受診しようとしている患者さんから余分に徴収するということが更なる受診抑制を招くことが明白であり、断固反対する。

【奈良保険医新聞第456号(2020年9月15日発行)より】


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